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7.無理矢理な既成事実※
(アレ?もしかして……間違えた?)
僕は内心焦ったが、ここで引き下がっては嫌われるだけで終わりだ。そうはいかないと、傷ついた表情を作る。
「ふふ……酷いなぁ。そうだよね、僕はそういう人間だから。そう思われても仕方ないよね。だけど、リュー。君のことを心配している気持ちだけは本物だから。もう、信じてもらえはしないと思うけど……」
「……」
「心配している気持ちがたまたま性行為に繋がっただけで。誰とでも距離を取る君のことが心配なんだよ」
リューは少し間を置いてから、僕を真剣な眼差しで見つめてくる。今度は怒っているわけではなさそうだが、やはり何を考えているのか読めない。
「……俺は、お前と共に過ごすのが、そこまで嫌ではなくなっていたらしい。バディとして過ごすのは悪くないと。だが……お前の言う通り、余計なことをさせていたようだ。普通はしないことだろう。今までのことは礼を言う。だから、お前も誰か新しいバディを……」
(こういうタイプはあんまりいなかったから、泣き落としも効かないか……こうなったら最終手段!)
「――嫌だ。僕はリューがいい。リューも僕のこと少しはいいって思ってくれたなら、一緒にいよう?それに、僕はリューのことが気に入った。好きだよ、リュー」
口を開こうとしたリューの唇を無理矢理に奪って、強引に舌をねじ込んだ。不意打ちにはやはり対応できないリューを翻弄するように舌を絡ませていく。両手で突き飛ばそうとしていた手の力が少しずつ抜けてきたところで、そのままリューを床に押し倒す。
「――ッグ……う」
何とも言えない表情を浮かべたまま、受け身に回っているリューに馬乗りになってしまうと、腕を後ろに回して先程まで口に含んでいたリュー自身を擦り上げる。
抵抗している力を押しのけるように、こちらも全体重でのしかかってキツく舌を吸い上げる。
「ぅ……」
「……っふ、ぁ……」
愉しくなってきたので擦る力を強めていくと、あっと言う間に硬度を保って起立する。クチュクチュと音を響かせてやると嫌そうに眉間に皺を寄せた。ギリギリ押し返そうとしているが、力は大分弱まってきている。
「ん、ふぅ……ふふ……コレくらいで、いいよね?」
「……何、が……」
何とか正気を保とうとしているが、リューは大分参っているようだ。僕は艷やかに笑んで見せると、パッと手を離して棒を自身の後孔へと一気に突き入れる。かなりの物量を一気にいれたので圧迫感はあるが、これくらいなら何とかなりそうだ。
「あぁぁぁんっ!……フフ、どうかな?僕の中は……」
「……っ、お前……」
得意げに微笑んでやると、リューは快楽と屈辱が混ざりあった表情で睨んでくる。だからといって自分から動く訳でもなく、威嚇するように荒い息を吐いているだけだ。
(あぁ…凄くイイ顔だ。どうしよう、癖になりそうだ……)
締め付けてやると、リューの顔が歪んだ。唇を噛み締めて力を入れて快楽から逃れようとしているみたいだった。そういう素直じゃないところがまたイイのかもしれない。無言で動き始めると、さすがに堪らないのか熱に浮かされる表情へと少しずつ変わっていく。
「ック…早く、…退け…っ…」
「そんな顔…してる癖に?素直じゃ、ない……」
自身の身体をなまめかしく揺らしてみる。リューは先程からこちらを一切見ようとしない。それでも身体は素直に反応していて。中のモノが膨らんで悦びを伝えてくる。
「中に…出していいけど…っ?」
「……誰、が……っ……」
「あぁ…っ…相変わらず、素直じゃ……ハァ…ない、…ンッ……」
「…ァ…、……」
腰を振り、擦りつけ、煽っていく。僕の腰に当てられている手は、退かすためなのか。
それとも、打ち付けるためなのか。
欲望が混ざりあって――弾ける。
「アァっ…イクっ…!!」
わざとらしく声をあげて盛大にイってみた。リューも同時に果てたようで荒い呼吸のまま動かない。僕はすぐには抜かずに名残惜しげにリューの身体の上へとしなだれかかる。リューは未だ欲の残る瞳を向けて、僕のことを睨むように見遣り、呼吸を整えようと深呼吸を繰り返してから口を開く。
「既成事実でも、作ったつもりか……?」
「ハ、ハハ……っ!おかしなこと、言うね?でも、無理矢理したことは謝るよ、ごめん」
「……」
「ねぇ、でも、よかったでしょう?僕の中。自信あるんだよねー」
リューは額に自分の手を当てて、黙ってしまった。呆れられたのかもしれないが、もう無理に退かそうとしてこなかった。
(それがある意味、同意という奴なんだけど。リューは理解しているのか?)
また長く息を吐いたリューが先に口を開いた。
「で、ふやけるまでそうしているつもりか?また体調を崩したら意味がないのだが」
「いや、余韻に浸ったしそろそろ出ようか。僕も流石にのぼせそう……」
上から退くと、中に出された白濁はゴポリとリューの腹を汚す。心底嫌そうな顔をしながらリューがゆっくりと起き上がり僕を今度こそ押しのけると、無言で出しっぱなしのシャワーを浴びはじめた。
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