19 / 19

番外編 種付けはお静かに

 いつも僕とモクレンとルキの三人で寝ていたベッドは、今夜から僕とモクレンの二人で使うことになった。ルキが生まれる前はそうだったし、ルキが大きくなったら三人一緒に寝られなくなると思っていたから、それが少し早まっただけだ。  ……それなのに、どうしてこんなに胸がドキドキするんだろう。 「まそら? どうかした?」 「なんでもないよ」  ルキの様子を見て来たモクレンがベッドに乗っかった。それだけで、また胸がドキッとした。  僕は前みたいにゴロゴロできなくて、ベッドの真ん中でうつ伏せになったまま「うー」と唸っていた。そんな僕の体は、モクレンの乗っかったほうに少しだけ傾く。それだけで、どんどんドキドキしてくる。  散歩のときに「兄弟がほしい」と言ったルキは、今夜から本のある部屋で一人で寝るって言い出した。「急にどうしたの?」と聞いたら、「早く兄弟がほしいから」って言われて、僕はポカンとした。  早くって……、早すぎない? もう少し、一緒に寝てもよくない?  そう思ったけれど、ルキは「兄弟がほしい」と言って、さっさと自分でベッドを用意して部屋にこもってしまった。 「小さいベッドだったけど、あれなら暖かく寝られるんじゃないかな」 「そっか」 「本を三冊も持ち込んでいたから、眠くなるまで読むつもりみたいだよ」 「そっか」  ルキのことは気になったけれど、もうそれどころじゃなくなった。さっきからドキドキしっぱなしで、枕に顔を押しつけないと口から何か飛び出てきそうなくらいだ。 「まそら、もしかして緊張してる?」 「きんちょう?」 「ドキドキとか」 「……どきどきは、してる」 「ルキフェルの前では『僕に種をたっぷりちょうだい』なんて言ってたのに?」 「だって……、ルキが生まれてから、ちゃんとえっちなことをするの、初めてだし」 「あー、そういえばそうだね。どのくらい振りだろう」  半年? それ以上? なんて言っているモクレンの声だけで、僕のお尻からヌルヌルが漏れてきた。 「まそらの羽、パタパタしてる」 「ひゃ!?」  急に羽を触られて、変な声が出てしまった。もう何度だってモクレンには触られているし、羽繕いもしてもらっているのに、背中がゾクッとしてびっくりした。 「……もしかして、付け根、感じる?」 「ひゃふ!」  えっちなことするんだと思って、服もパンツも着なかった僕のばか! 僕は心の中で思い切り自分を叱った。それに、ドキドキしているときに羽を触られたらゾクゾクするなんて、知らなかった。 「はは、羽がピクピクしてかわいいなぁ」 「ひゃぅ! は、羽は、だめ!」 「駄目なの?」 「だめ!」  羽の付け根を指でサワサワしたり、太いところをスルスル撫でたり、絶対にモクレンはわかっていてやっているんだ。モクレンは優しいけれど、えっちなことをするときは少し意地悪になるってことを思い出した。 「でも、羽を触るたびにお尻がヒクヒクしてるよ?」 「ひゃん!」  太いところを撫でていた指が羽の付け根をクイッと押して、そのまま背骨をスルスル下りて腰をサワサワしている。それだけで僕のお腹もお尻もキュンキュンして、どんどんヌルヌルしたものが漏れてきた。 「だめ、さわさわも、だめぇ!」  これ以上触られたら、僕はきっと変になってしまう。だからだめだって言ったのに、モクレンの手はお尻をサワサワして、ムギュムギュ掴んだりし始めた。 「だめ、だめってばぁ!」 「まそら」  急に耳元でモクレンの声がして、びっくりした。 「そんなに大きな声を出したら、ルキフェルに聞こえるよ?」 「……!」  い、意地悪だ! 触られたら声が出るってモクレンだって知っているのに! 僕はお母さんみたいに、えっちなことをしているのを子どもに見られたいなんて思ってないのに! 「いじわる……」  うつ伏せになったまま顔を少しだけずらしてそう言ったら、モクレンの真っ黒な目が細くなったのが見えた。 「久しぶりに、泣かせてしまうかもなぁ」 「ひゃぅ、ぅ……んっ!」 「こういうの、たしか、寝バックって、言うんだよ、なっ」 「……! ん、んーっ!」  最初はお尻を上げていたけれど、両足に力が入らなくなったせいで、すっかりうつ伏せに戻ってしまった。それでもモクレンの雄の証は僕のお尻の奥にずっぽり入っていて、ズンズン奥を突っついてくる。そのせいで僕の体はどんどんずり上がってしまうんだけれど、すぐにモクレンが引っ張るから、またお尻の奥にズン! って硬いのがぶつかる。  それを何度もくり返されて、僕の雄の証が擦れているベッドの辺りはグチョグチョになってしまった。ほとんどはお尻から漏れたヌルヌルだろうけれど、たぶん僕の雄の証から出た種も混じっているんじゃないかな。 「そろそろ、卵の部屋のほうに、入れよっか」 「……!」  モクレンの声に、僕は慌てて後ろを向いた。 「待って待って、まだ待って」  いま入れたら、声が出てしまう。きっと前みたいに、大きな声が出てしまうから、待って! 「待って、モクレン、待って」  小さな声で、必死にお願いした。それなのにモクレンの雄の証は、お尻の奥をグイグイ押して、そうして……、卵の部屋のほうに入ってきた。 「ん……! ま、って……、まって……」 「大丈夫、ゆっくり入れるから」  違うんだって、ゆっくりとかじゃなくって! いま入れたら、僕、僕……! 「ひ……、あ、あ、……あひ、ひ……」  大きな声は出なかったけど、ゆっくりと狭いところを広げられるだけで、僕のお尻の奥がキューン! ってなった。これは、前のキュンキュンよりずっとすごい。  キューン! がすごくて、もう本当にすごくて、声なんて出ないくらい気持ちがよくなった。狭いところに硬くて大きいのがグーッと入ってくるだけで、僕の雄の証からショロショロと何かが漏れる。 「お漏らしかな……。それとも潮?」 「わか、にゃ、」  モクレンの雄の証が少しずつ奥に入ってくるたびにショロショロ漏れるから、ベッドも僕の太もももグッショリだ。でも、どうしてかショロショロは止まらない。 「……あぁ、もうすぐ卵の部屋の、入り口だね」  モクレンがそう言うと、気持ちいいところにブチュっと先っぽがぶつかったのがわかった。 「っひゃあ!」  ルキに声が聞こえるかもなんて心配は、いっぺんに吹き飛んだ。 「きゃう! しゅご、しゅごぃぃ!」  ブチュっとくっついた先っぽが、ヌーッと部屋の入り口を広げている。それだけで目がチカチカして、お尻の奥も出口もギュウギュウになった。 「しゅご……、おく……、はいって、りゅぅ……」 「まそらのここ、開きやすくなった気がするけど……。やっぱり、子どもが生まれる卵を産んだからかな」 「ひぃ! おく、はいっちゃぅ、ぜんぶ、はいっちゃぅ!」 「大丈夫、さすがにカリまでしか、入れない、から……って、すごい、吸いつき」  卵の部屋の入り口に、ズポッと大きいのが入ってきた。ものすごく狭いところを、とても太いのが、ヌッポヌッポ出たり入ったりしている。それがものすごく気持ちよくて、すっごく気持ちがよくて、僕の口からはよだれがダラダラこぼれた。 「しゅごぃよぅ……! おへや、じゅぽじゅぽ、しゅごぃぃ……!」 「少しお尻、上げるよ? ……は、やばい、なんだこれ、」 「ふぁ! ぁう! しゅご、いぃ! おへや、じゅぽって、しゅごぃよぅ!」 「うわ、駄目だ、搾り取られる、……ッ」 「しゅご、おす、あかし、ふとぃ! じゅぽ、もっと、じゅぽ、してぇ!」 「まそら、おちんちんって、言って」 「おち、ちん、じゅぽ、して、」 「あー……、言葉の破壊力って、やっぱりすごいな……」  おちんちんって言ったら、部屋の入り口を広げていたモクレンの雄の証が、もっと大きくなった。大きくなったら苦しいはずなのに、苦しいのも気持ちがよくて頭がチカチカしてくる。もっと気持ちよくしてほしくて、涎を垂らしながら僕は「もっと、もっと」っておねだりしていた。 「おちん、で、おへや、じゅぼじゅぼ、してぇ!」 「待った、」 「おちんちんで、ぼくの、じゅぼじゅぼ、いぃところ、じゅぼって、してぇ!」 「まそら、ストップっ」  太いのが、狭いところをズポォと抜けた気がした。それから、雄の証がドビュッドクドクってたくさん震えた。  いつの間にか僕のお尻は持ち上げられていて、卵の部屋の奥にモクレンの種がドボドボ当たっているのがわかる。  どうしよう……、すごくて、すっごくて、ものすごかった……。久しぶりだからか、気持ちいいのがすごすぎて、頭がぼんやりする。 「もくれん、たまご、できるまでねぇ、」  はふ、気持ちがよくてちゃんと声が出ない。 「ぼくの、たまごのへやねぇ」  でも、いま言いたい。 「おちんちんで、じゅぼじゅぼ、いっぱい、しよーねぇ」  言えた。と思ったら、種が奥をもっとびちゃびちゃにした。 「たね、いっぱい、うれしーね……」  お腹がポカポカする。体はあちこち濡れているけれど、まぁいっかと思って、僕はそのまま眠ってしまった。  次の日、真面目な顔をしたルキが「父さん、やりすぎ」ってモクレンに言っていたんだけれど、あれってどういう意味だったんだろう?

ともだちにシェアしよう!