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後孔を何度も劣情で穿ちながら、ツカサは囁く。
「カナちゃん、カナちゃん。お尻と胸、どっちが気持ちいい?」
「ふ、ぇ……っ?」
ツカサからの問いに、カナタは潤んだ瞳で背後を振り返る。
滲む視界の中で、ツカサは妖艶に微笑んだ。
「こうして、お尻を乱暴に突かれる方がいい?」
「ぅあっ!」
「それともこうして、乳首を爪でカリカリされる方が好き?」
「ひっ、んんっ!」
ツカサからの行為は、まるで責め苦のようで。
「教えて、カナちゃん。好きな方をいっぱいしてあげるから」
蠱惑的な問いかけに、カナタの頭は溶けていく。
後ろを激しく犯されながら、胸も辱められて。
カナタは、だらしなく緩み切った口で……。
「──どっち、も……っ。どっちも、気持ちいぃ、です……っ。どっちも、好き……っ」
そんな淫らな答えを、熱く甘く、紡いだ。
背後で、ツカサが小さく息を呑んだような音が聞こえる。
しかし快楽でトロトロになったカナタは、そんな些細な物音に気を配れなかった。
「カナちゃん、後ろ。……もっと、してほしい?」
「あっ、し、してっ、ほしいです……っ」
「乳首は?」
「もっと、さっ、触ってください……っ!」
生理的な涙が、カナタの頬を伝う。
まるでその雫すらも手中に収めたいと言わんばかりに、ツカサはカナタの頬を舌で舐めた。
「可愛い……っ」
囁くと、ほぼ同時。
「──ぁあっ!」
カナタが背をしならせて、高い声を上げた。
さらに硬度が増したツカサの逸物が、カナタの後孔を荒々しく突き上げる。
少しずつ熱を持った両手は、カナタの要望通りに胸の突起を可愛がり続けた。
耐え難い快楽の連続に、カナタは立てていた膝や内腿をガクガクと震わせる。
「あっ、あ、っ! もっ、や、だめぇ……っ! あっ、ふあっ!」
「カナちゃん、イきそう?」
「イき、そ……っ! ツカサさん、ツカサ、さん……っ!」
熱を帯びた体が、その放出先を探すように、カナタの中でグルグルと蠢く。
──イきたい。
──ナカに、ツカサの熱が欲しい。
淫らに喘ぐカナタを抱き締めて、ツカサは耳元で囁いた。
「ナカに出すね、カナちゃん……っ」
同じように、ツカサも限界を感じている。
その事実が余計、カナタの体を熱くした。
「イく、イ……あっ、んぁあっ!」
ビクリと、カナタの体がひと際大きく痙攣する。
だらしなく蜜を溢れさせていたカナタの逸物が、白濁とした液を迸らせた。
「カナちゃん……っ」
耳朶に、ツカサの吐息がかかる。
それと同時に、後孔へとツカサの熱が注がれた。
「ひ、ぅ……ん、んぅ……っ!」
体を忙しなく震わせながら、カナタはシーツに何度も精液を迸らせる。
すると、胸を辱めていたツカサの手が、カナタの頭をそっと撫でた。
「カナちゃんがイく時の声、凄くエッチで可愛い」
絶頂の余韻に浸りながらも、ツカサは相変わらずツカサのままで。
カナタは明確な理由も分からないまま、頬を薄桃色に染めた。
2章【そんなに拒む理由を消さないで】 了
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