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 パァン――  人気のない広大な土地から、乾いた銃声が響き渡る。街の中心からは距離があるようで、大きな建物がポツリと一つ建っている以外は、芝生の生えた牧場のような敷地が広がっているだけだ。  建物から少し離れたところには、穴の開いた的が立てられ、薄っすらと煙が出ている。先ほどの銃声によるものだろうか。  さらにその先、的から数メートル離れた場所には銃を構えているラフな格好をした少年が立っている。銃口は的を向いており、これらのものは彼の仕業であると証明している。  獲物を狙う鋭い視線は撃ち終わった的から離れず、まるで誰もが一瞬で恐怖に包まれてもおかしくない。  カチャ、と次弾が装填され、引き金を引く。もう一度乾いた銃声が響き渡るが、的に変化はなかった。  だが、煙はより強く出ていた。  どうやら、銃弾は貫通痕を寸分違わず通り抜けていったようだ。  ようやく少年は銃を下ろすが、彼の中にまだ殺気が残っている。周囲がピリピリとした空気に包まれている。 「ふーっ」  彼の姿を背後から見ていた、濃いピンク髪の肩下まで伸ばした女性が、わざとらしい息遣いをした。手元にはまだ火の点いた煙草があり、煙を燻らせながら少年の元へ近付いていく。彼女は終始少年の行動を見ていたのか、何か言いたげである。

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