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少し離れて立ち、銃を取り出して構えるヴォルツ。鋭い視線は、暗殺者であることが剥き出しになっている。
引き金を引いて銃弾を飛ばす。
いとも簡単に鍵は壊れてしまった。
しかし、ドアはピクリとも動かず閉じたままであった。
撃ったところへ蹴りを入れる。ドアは重い音を立てながらゆっくりと開いていった。
整然とされた庭の景色は、ヴォルツには濁って見えていた。金と権力にまみれている、そう感じていた。
改めて敷地内からの風景を確認する。目的の人物は建物の中にいるのだろうか、そうであればどこから侵入するか。身を潜めながら考えていた。
ひとまず表から様子を伺おうと近付いていくと、騒がしい声がした。
太った男がサングラスを掛けたボディガードを連れて屋敷の中から出てきた。笑っているその男は、ヴォルツの標的である。
車に乗り込もうとしているようで、まさに今が最後の狙い目である。万が一車が防弾仕様でなくとも、一枚ガラスを隔てることによって照準がずれたり威力が落ちたりする可能性が考えられる。
木の陰から銃をぐっと握りしめ、すぐさま狙いを定める。頭部に照準を合わせ、すぐに引き金を引く。
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