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 ようやく奥だろうという場所に、一つだけ明かりの点いた白いドアがあった。ここがシャワールームであった。誰か先客がいるようだ。  ヴォルツはそんなことも気にせず、ドアを開けて入っていく。  そこには、上半身脱いだ姿のミッチがいた。 「あ、ヴォルツ。……大丈夫?」  平然とヴォルツを見つめるミッチに対し、ヴォルツの顔は徐々に赤くなっていく。そして再び廊下に出て脱衣所のドアを閉じてしまった。 「ご、ごめん!!」  衝撃の姿に驚きと申し訳なさが湧き上がり、ドア越しに叫びながらミッチに謝罪する。  だが、謝られた本人からは笑い声が返ってきた。 「あははは。ヴォルツってオレのこと女だと思ってた?」  中性的な声が響くと同時に、閉じたはずのドアが開かれており、ミッチが顔を覗かせていた。同時に片手がするりとヴォルツへと近付き、強引に中へとヴォルツを引き込んだ。 「ねぇヴォルツ。オレのこと、ちゃんと見て」  手で顔を覆おうとしても、ミッチの細い腕がぐっと掴んでヴォルツの手を拘束する。

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