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 チラリとミッチの身体にヴォルツの視線が移動する。  可愛らしい少女のような顔つきではあるが、胸部には膨らみはなく、薄い胸板があるだけである。  そこへミッチの手が移動させられ、ヴォルツの左手が強引に触れている。 「ちょっ……」 「オレは男だよ。ここ触っても何もないでしょ? まぁ、任務のために普段からスカートと女物だからね。どう思ってた?」 「どうって、その……」  何度か見ているはずのミッチの上目遣い。だが、今までとは違ってまるで獣のような恐ろしさが感じられた。それでも妖艶さは残っており、ミッチから視線を逸らせずにいた。 「あはは。可愛い女の子だと思ってた? そう思わせる振る舞いはしてたけど、残念ながら違うよ」  するとミッチは、スカートに手を掛けて一糸纏わぬ姿へとなる。  そこに現れたのは、れっきとした雄の証であった。  驚くヴォルツを気にする様子もなく、再び近寄っていく。 「ねぇ、ヴォルツのことももっと教えてよ。オレ、ヴォルツのこと結構好きなんだ」  そのまま顔を近付け、何も言わないヴォルツの唇へと重ねる。  たった一瞬触れ合ったそれは、ヴォルツにとってとても柔らかいものだった。

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