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第二話 貢ぎもの※(残酷描写あり、少年への凌辱)

「いやぁっ、いやぁっ……、ひっ、ひ…ッ、いっ、ぃやぁっ……っ!」 「やめてよぉ、嫌だっ、あうっ、放して。こっ、こないでぇぇ」 「助けて! 誰か…ぃゃああぁ……っ。た、たす、……て」  大広間に絶え間ない悲鳴がこだまする。成長しきっていない、小さな身を引き裂かれる絶望は加速するばかりだ。裸に剥かれた少年たちは、涙を散らしながら形振り構わず逃げ惑った。  丸見えの小さな性器を力なく揺らし、足をもつれさせながら、伸びる獣人の手を精いっぱい避けている。一度捕まったら、身体の中からずたずたに引き裂かれて切り刻まれて殺される、そんな恐怖が、ひきつる顔と汗と吐息に滲んでいた。  だが子どもの必死の走りなど獣人には早歩きのようなもの。獣人たちはきっとわざとやっているのだ。掴むか掴まないかのギリギリのところで捕り損ねる。逃げる獲物を見逃しては、恐怖心を煽っていた。子どもが泣き叫ぶ様を見て、狩りを楽しんで、またもゆるやかに追いかけまわす。  獣たちに――遊ばれている。  どの子どもで遊んでやろうかと物色して、新しいオモチャを複数で取り合っているようだった。 「早くっ、エミル、こっちに……っ」  声もないエミルの手を引き、ルトは遠くへ走る。行き場を探る視界の端で、力尽きて獣人に捕まった名も知らぬ少年が映った。  少年は身を隠す布もなく、獣人よりもはるかに小さな力であらん限り抵抗している。そして無残にも、獣人に剥き出しの両足を開かされていた。巨大な獣が無垢な身体を覆い尽くす。 「ああぁぁっ! 助けて! 助けて! 触らないでっ、おっ、がいぃぃ……っ!」  いくら叫ぼうと、懇願しようと、ささやかな願いは叶えられない。押さえこまれた悲鳴は、頑丈な壁に遮断されてすすり泣きに変わるだけだ。獣人は決して、手に掴んだ獲物を逃がすまい。怯える小さな身体をいたぶり始めた。 「ははっ。今からそんなんじゃ、これからが耐えられんぞガキども。そんな柔な力で俺たちに敵うはずねぇさ。しかしよく暴れる、足が邪魔だな。……おい、ラシャド! コレのこっちの足を開いとけ」 「あー? そんなんてめぇでどうとでもしろや。片腕一本で足りるだろが」 「俺は気が短けぇんだ。ガタガタと、うるさく揺れおって……これでは突き刺す穴が定まらんわ。いいから手伝え。尻を固定したら、すぐ済ませる」

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