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 硬い蕾をこじあけられた、痛みにあえぐ少年の顔が、エミルにも横目で見えたのだろう。がたがた震える白い手を、絨毯をきつく握るルトの手に重ねてきた。 「ル、ルト……」  エミルは蒼白だった。ルトはこれからの苦痛を知っている。だがエミルは何も知らない。力が入りすぎて真っ白になった細い手を、ルトはぐっと握り直した。  魔術師が近づく気配を、すぐそこに感じる。エミルに声を掛けたいのに、あまりの緊張にルトの薄い唇はひきつるだけ。床に擦りつけるように下げた心臓が、逆流しそうだった。  嬲る指先が、いつ伸びてくるかわからない。背後を振り返って、目で見て確認することもできない。ただ近づく音を刻々と聞いている。視界を閉ざされた暗闇に、取り残されたようだった。  そしてふいに、ルトの丸い尻に大きな手が添えられた。尻の柔肉を、左右に思いきり割り開かれる。 「ぁ……っ」  ぬるぬるする冷たい液を、いきなり尻の間に落とされた。ぴくんとルトの腰が跳ねる。構わず、魔術師はルトの尻を弄った。  念入りにぐりゅぐりゅと、硬い穴を指の腹で揉みこまれる。冷たかった液体が熱を持ち始めたら、爪を立てられた。ぐぐぐ、と体内に指先が挿入された。 「んくっ、――あぁ!」 「くく」  耐えきれないルトの喘ぎに重なるように、後ろからくぐもった笑い声が聞こえた。羞恥に唇を噛みしめる。責め続ける長い指は、閉じた狭い肉の道を強引に突き進む。ずぷずぷ開かれる痛みと、気色悪さに、ルトは無意識に腰を引いた。  魔術師は逃げる腰を掴み戻し、空いた片腕で白い肌を打つ。ぱんっぱんっと豪快に尻がぶたれた。鋭い痛みにルトの全身がぴんと跳ねた。

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