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 文句どころか泣き叫んでも、渾身の力で抵抗しても。ルトの望みが叶ったことなんて一度もない。ここで見知らぬ獣人に襲われて腹に子種を注がれようと、とっくに汚れた身だ。ルトの純白がなくなるわけでもない。  口に出さなくてもルトの反発心が見て取れたのだろう。視線を鋭くしたラシャドがさらに言いつのった。 「いいか。お前はここで過ごすんだ。他の誰にも手出しは――」 「どうして? あなただって、他の獣人たちに俺を差し出したでしょう? 一度に何人もの獣人たちと一緒になって、順番に犯したことだってあるでしょう。なのにどうして、今さら」  そう、今さらだ。ラシャドはひとりでルトを抱くほうが多かったが、気分によって複数で責められ続けた。上の口から胃までエグモントに貫かれた恐ろしい凌辱だって、平然とルトをあけ渡してみせた。その後も、時と場所を変えて、ルトを気に入ったというエグモントと二人でいたぶることもたまにあった。  ラシャドの仲間と一緒にルトを使い回し、助けを求めて宙に浮いた手を無理やり押さえつけられた。飛び入りでやってきた獣人を制することもなく、むしろ面白がって同時に責め立てた。他の獣人に組み敷かれている最中に、ラシャドが新たに加わって抱き潰すこともあった。  嗜虐性はないラシャドは暴力は振るわないが、いちいち他人の性癖をとやかく言う性格でもない。やりたい奴にはやらせてやればいいと放置し、それで孕み腹がどうなろうが知ったことではないのだろう。  精も根も食らいつくされ気を失ったルトが、犯されながら殴り起こされても、力任せの体勢に脱臼しても骨が折れても口出しする素振りもなく。  これまで積み重なった、身も凍るほどの仕打ちを忘れるなんてできない。どんなに優しく触れられてもルトの身体は強張るし、ルトを気遣う言葉は白々しく耳をすり抜ける。  ラシャドの言葉を最後まで言わせず、ルトは非難の眼差しを向けた。責める視線から、ラシャドは目を逸らさなかった。どうせルトのことなんて、気にも留めていないのだ。だがなぜだろう、ラシャドの眉根がぐっと寄せられる。痛みに耐えるような、辛い気持ちを堪えるような、そんな様子だった。 「それでもだ。子を孕んでいる間だけは、お前は俺だけのものなんだよ。お前がどう言おうが、何を思っていようが関係ない。俺の子がいる限り、他の、獣人にお前を貸すつもりはない……ここにいろ」

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