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軽くむせ、伸し掛かってくる人物に目を向ける。そこにいたのは複数の獣人だった。蛇と鹿と――この獣人たちは。
「へへっ。つぅかまえたぁ。この前は邪魔が入ったからなぁ、今日はたっぷり付き合ってくれよ?」
朱華殿から飛び出したとき、ルトを襲った獣人たちだ。細長い目をさらに細め、顔の鱗を長い舌で舐め上げている。伸しかかる距離が近寄り、生ぬるい息がかかった。
「俺は粘着質なんだ。一度狙った獲物は逃がさねぇと決めてる。だいたい俺たち獣人は、いつでも孕み腹を使っていいはずだ。だってぇのにこの俺をコケにして、殴り飛ばしやがって」
どうやらグレンに叩きのめされたのを恨んでいるらしい。位の高い知り合いに頼み、仕返しに来たと言った。あの日、奉祝の儀に参加しなかった、複数の仲間を引き連れて。
「や……っ、嫌だ……っ」
遅まきに状況を察し、押さえつけられた手足をがむしゃらに動かす。しかし大柄な獣人たちに敵うはずない。仰向けに倒された上下左右から、下卑た笑い声がした。
目の前の蛇を含めて五、六人はいる。ラシャドはいない。最悪の事態を思い浮かべ、無意識にルトの身体が小刻みに震え出した。
「かぁわいい、震えてら」
「早くやろうぜ」
「ぼて腹の孕み腹を無理やり犯せるなんて、ついてんな」
「誰が一番手?」
「俺が貫通させるに決まってんだろ。てめぇら、誰のつてで種持ちに手ぇ出せると思ってんだ」
何を言われているのか思考が追いつかない。きんきんと耳鳴りがする。かと思えば、歯の根が合わない奥歯ががちがちと内側から脳味噌を揺らした。蛇の獣人がルトに覆いかぶさってくる。視界が黒くなり、それから、悪夢のはじまりだった。
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ご覧くださりありがとうございます。次回は、かなり過激になってます。ストーリー性はなく、ただひたすらグロイです。前置き注意を挟みましたので、ご確認くださると幸いです。よろしくお願いいたしますm(_ _"m)
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