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がさがさと地面の上で足掻いていれば、四方八方から複数の腕が伸びてきた。ルトの、二の腕よりも太い腕が。まるで土に転がる一匹の蟻を、巨大な象の群れが踏みつぶすよう。
粉々に引き千切られた薄布が、青い空を舞い去るのをルトの視界が追った。だが全裸で固定された身体は一ミリとも動かなかった。
「あぁ、あッ…ぃ…っ」
嫌、嫌だ、怖い。成熟した何本もの腕で小さな身体をまさぐられる。土の上でひとり裸にされたルトに、細長い蛇のいやらしい顔が、うんと背ける顔に迫った。
細長い舌をにゅるにゅる動かして、脅える吐息を絡めとられる。逃げる顎先を強く掴み上げられた。赤い、長い舌がきめ細かいルトの肌を滑り、きつく噛み締める唇の周りを舐めまわる。ぴちゃんとする感触も、生臭い匂いも、低い体温もすべてが気持ち悪かった。
「ふ…ぅ…っ」
たまらず悲鳴の形に口を開ける。隙を逃さず、長い舌はにゅるりと口腔に入ってきた。絡み取られないように逃げ惑うルトの舌をすり抜けて、喉奥で震える小さい器官をダイレクトに舐め上げられる。ぶらりと垂れ下がった柔らかな喉の肉を、舌でれろれろと揺すられた。
「ぅぐ……っ」
唇は合わさずとも、喉の奥深くを直接まさぐられる感触に嘔吐いてしまう。息が苦しい。手足を激しく動かすが、藻掻けば強い力に阻まれてルトの身体が痛いだけだ。剥き出しの背中に砂利がこすれて、ひりひりした。
左右の腕は引っ張り伸ばされ、白い両足は大きく開かされた。大の字になったルトよりも大きい四人の獣人たちは、四本の手足を片手一本で拘束した。
「マジで毛も生えてねぇのな。体毛が少ないのか? 見ろよこの腕。軽く押さえただけでも折れちまいそうだぜ」
「小ぃせぇったらねぇや。てめぇら先に広げとけよ。すぐ使いてぇ」
「俺はこんくらいの大きさが好きだがな。使いはじめの滑りは悪いが、無理やり突っこんでやればいい具合に締まるんだよ」
はりつけにしたルトを囲み、獣人たちが楽しそうに軽口を叩く。ルトの口はいまだ蛇に嬲られていた。声を出そうにも、絶え間なく塞がれている。蛇の顔を見たくなくてぎゅっと視界を閉じた。息苦しくて吐き気がして、蒼白になって汗が浮き出る。そこでようやく口腔が開放された。
「はぁ…ッ…っ」
酸欠で大きく開いた口周りがべとべとだ。むせに合わせて、溢れた唾液が飛び散れば太陽の光でてらりと反射した。だが胸元で伸しかかる圧迫感は消え去らない。剥き出しの平らな胸を小下させれば、出張った腹が奇妙に目立った。
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