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「子が生まれるまで、ここに、俺のをかけなきゃなんねぇんだ。キツいだろうが我慢しろ。香も焚いてる」
性交をルトが過度に怖がるから、ラタミティオ塔の魔術師にもらった香だ。ときどき拷問にも使う、人間によく効く媚薬だった。ルトの中をほぐす頃には正気を保てなくなるだろう。
震えるルトの全身を愛撫し、唇を這わせる。小さく喘いだ薄い胸に、張り出る腹に、そして、ルトの幼い中心に。
今まで一度もきちんと勃起しなかったルトの茎は、わずかに頭をもたげていた。炊いた香が微かな欲情を刺激しているのだ。
ラシャドの腕の中で、初めてルトが射精をしたときは可愛くて仕方なかった。媚薬のせいだとわかっていても、ルトに受け入れられた気がして。
たわいない前戯を繰り返していれば、ルトの発する声が甘やかになる。恐怖ではなく微かな快楽をにじませて、小さな身がぴくんと震えた。白い裸体を柔く撫でる手を中断し、ラシャドはルトの身体から顔を上げた。
「やぅ、ぁ、んっ」
紫水の大きい瞳が細まり、手を止めたラシャドをなじってくる。半透明の瞳は潤み、与えられる愉悦を拾い始めていた。身に着ける下着さえも乱雑に取り払う。鍛え抜いた体躯を惜しみなく晒し、蕩けるルトをがっしりと組み敷いた。
「――ルト」
孕み腹への態度を保つため、普段なら口にしない名を囁く。以前は名を呼ぶ必要もないと思ったのに、その名を口にしてみたくなったのはいつからか。
低く囁き、朱色に染まる耳元に低い息を吹きかけてやる。耳の中まで感じるのか、ルトがびくんと身を捩った。
「んふっ、ンっ」
心地よい悲鳴に興が乗る。きめ細やかな素肌を舌先に乗せて舐めあげた。膨らむ臍に口づけを落とし、さらに下へ。びくびく跳ねる小さい身体を唇でなぞれば、愛撫する刺激で兆した勃起をぱくりと食む。
「あぁっ」
幼い性器に唾液を絡ませ、ねとりと吸い上げてやる。ラシャドからすれば物足りない小さなそれを、口の中で飴玉のように舌先で転がした。
他の奴の男性器は口にしようとも思わないが、ルトの一部と思うだけで興が乗るのが不思議だ。新たな刺激をやればぴくぴくと健気に感じ、口内で完全に勃起した。唾液の糸を滴らせて、可憐に震える陰茎から顔を上げる。
ラシャドの愛撫でたくさん蕩かしたのに、普段使わないルトの性器はなおもわずかに皮をかぶる。ちらりと頭を覗かせた幼い性器が、淫らな蜜を垂らし硬く勃ち上がった艶やかさは、どこか倒錯的にも見えた。
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