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 ルトを隅々まで堪能してから、ぬるりと抜け出てゆく。口内を滑る感触に甘えた声が出てしまった。けれど薄い唇を吸われ、鼻にかかった小さな響きさえ掬い取られた。  ラシャドの形良い唇が丸い頬を移動して、微かにのけ反った首筋に落とされる。今度は剥き出しの肌を舐められた。と感じたら、ぴんと突き出た胸の突起を食まれた。  伸しかかり、体躯を揺らしたラシャドの舌先が、さらに白い肌をなぞる。平らな胸の間をとおって下へ、下へ。痩せた脇腹に吐息を感じ、敏感になったルトの身体が小さく跳ねた。  片足をそっと、大きく持ち上げられる。柔らかな足の付け根にも、熱い口づけを落とされた。 「あっ、や……っ」 「感じるようになったな」  ルトの両足の間で響く低い声音は嬉しそうだ。太ももの付け根にも吐息を感じ、白い素肌に朱色が走った。信じられない。口元を緩めたラシャドの鼻先にある小さな性器は、緩やかに頭をもたげていた。前は、愛撫されただけでこんなふうにならなかったのに。  紫苑殿で蜂蜜色の媚薬を使われてから、ルトの身体はおかしい。ラシャドに触れられれば感極まって、射精した感覚を思い出してしまうのだ。ルトの身体が、ラシャドの愛撫を忘れてくれない。臍の下の、奥が疼く、たまらなくざわつく。でも、こんなふうになるのは不思議とラシャドのときだけだ。  ルトの心を追いかけて、低い問いが足の中心で囁かれた。 「なぁ、俺だけか? お前が感じんのは」  こんなふうに、ルトが健気に勃起しようとするのは俺だけか。再び問われた言葉は、たぶんそんな感じだったと思う。くぐもる息とともに、震える陰茎に優しい口づけを添えられる。  ついさっきルトの口腔を堪能した舌が、今度は小さな茎を味わおうとしている。そう思ったとたん、ラシャドの味がルトの口腔に広がった。どうして、今は触れあってもいないのに。  丸い頬が火照り、じっと見つめてくる視線から逃れようと両腕で目元を隠す。けれど早く答えろと、小さく勃起する陰茎をべろんとねぶられてしまった。いよいよラシャドの舌先が、未熟な茎の裏をなぞって移動する。完全に塞いだ視界のなか、必死に頷いた。 「そ、そう。あなただけ、です。だから、放して」  頬を赤らめて、目元を細い腕で覆い太ももを擦り合わせる。ラシャドの口淫から逃れようとしたけれど、ラシャドの熱い吐息が震えるルトの恥部に触れた。ぴくぴくする先端を、豪快な舌先で弄られてしまう。

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