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第23話

 第一次世界大戦のさなか、ドイツに革命が勃発した。  戦況が不利になるにつれ、反対派の貴族・市民が、戦争続行を主張する帝国政府打倒を掲げたのだ。  革命政府が樹立し、帝国政府・最高権威である皇帝ヴィルヘルムⅡ世は、オランダに亡命。  ドイツ帝国は崩壊した。  革命政府は直ちに連合国軍・三国協商との和平交渉を行う。  しかし、この時ドイツ以外の同盟軍は既に降伏か離脱しており、また革命によって誕生した臨時政府に、老獪な連合国軍と渡り合える外交を行う力はなかった。  1919年  フランス ヴェルサイユにおいて  ドイツは降伏に近い形で、和平条約に批准した。  ほぼ全ての植民地をドイツは手放し、敗戦国として高額の賠償金が課せられた。  戦後、空前絶後のインフレがドイツを襲った。  ドイツマルク紙幣は紙きれ同然となり、国民の不満は日に日に増大する。  しかし今日まで、辛うじてドイツが国家として存続してこられたのは、共和制ドイツ・初代首相ヴァイマルの並々ならぬ尽力の賜物であった。

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