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起床時間を告げるアラームが鳴り響き、億劫そうに瞼を開いた。
今日は兄と共に大学は休みであるが、今日の料理担当は自分であるため、兄よりも早く起きて朝食作りしようとアラームを掛けていた。
が、異様に頭が痛い。それは何故なのかと思いつつ、枕元に置いていた携帯端末のアラームを止め、頭を抱えながら怠そうに起き上がった時、首と臀部辺りに違和感を覚えた。
それは何かと目を向けると、目を瞠った。
鈴付きの首輪と猫のようなふさふさとした黒いしっぽが、菊門に挿入されていたのだ。
それ以前に、裸体であることにも自身の目で見ている光景が信じられなかった。
何故、こうなった?
痛む頭で無理やり昨日のことを思い出そうとした。
昨日は、たしか…………自分と、双子の兄が二十歳の誕生日で、成人になったからと、酒を嗜んでいた。
呑むペースが早いのにも関わらず、ほんのりと頬を赤くするぐらいで酔った様子のない兄のペースに乗せられ、自分もそんな呑み方をしてしまった。
しかし、すぐに酔いが回ったようで、途中から記憶がなかった。
としたら、この格好はもしや、兄と……。
兄は昔から溺愛をしまくっていた。それは、両親が呆れるぐらいに。
けれど、こちらも兄と同じぐらい大好きであったので、とても嬉しく思っていた。
だが、年齢に上がっていくにつれ、それは異常だと感じ始めた。
それが顕著だったのは高校生の頃。
登下校は変わらず兄だけであったが、絶対に互いの友人とは帰らせず、加え、昼も、二人だけで食べるよう強要され、両親は別にしてもいいと言っていたバイトもさせてくれなかった。
当時欲しかった物が買いたいがためにしようと思っていたのに、とこっそりとしようとした時、欲しい物をプレゼントしてきたこともあった。
双子だからといって、そこまで分かってしまう恐ろしさを感じ、兄には内緒で受けた大学が合格し、その機会に一人暮らししようとしていた引っ越し先で、さも当たり前のようにいた兄の口から、同じ部屋に暮らす契約を勝手にしていたことを明かされた。
そのまま兄と暮らす羽目となったわけだが、まさかの酒の勢いに任せてそのようなことをしてしまったのか。
いや、と頭を振った。
自分達は兄弟だ。さすがにそのような間違いは──。
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