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7_ゆらゆら

ベッドが湿気てた。そんなベッドの上に、大佑は横向きに寝転がっていた。俺は水をがぶ飲みしながら、ベッドの横に立ってる。 大佑は、俺に背を向けている。 髪の隙間から月下美人が見える。背中はいくつか鬱血してる。おしりはべちゃべちゃになってて、それから俺の大好きな脚が伸びて、太ももとふくらはぎはやっぱりてんてんと鬱血してる。 ごめんねって気持ちに混ざって、美しすぎる、とも思った。 『はかない恋、はかない美、あでやかな美人だって、花言葉うけるでしょ』 そう言って笑った大佑の姿を思い浮かべた。 あー、あれ今日の夕方じゃん、 だいぶ前のことのような気がする。 儚いとか言われても、困る。大佑はそんなんじゃない。彫り師クソじゃん、 たしかにそこにある美しさであり、恋だよ。 空になったペットボトルを置きに行きながら、スマホを手に取った。 カメラを立ち上げて、大佑のことを撮った。 それからなんとなく検索した。 『月下美人 花言葉』 、 「リョウちゃん」 いつもより掠れた声 「満足した?」 「したよ」 「よかった」 こっち見てくれなくてちょっと不安になる。 「大佑」 「んー?」 「こっち向いて」 「……んー」 「ねえ、」 「んー、」 ベッドに座って、大佑の頭を撫でた。 「……痛かった?嫌だった?」 「ううん、」 「大佑、」 顔を覗き込んだ。 大佑はボロボロ泣いてる。 「は!?」 「違うよ、俺今、しあわせすぎて泣いてんだからね、」 「え?」 こっちに寝返った。それすら、艶かしい。 「リョウちゃんのものにして」 何回もいったくせにまた、もう、 大佑は目元を擦りながらくすくす笑って、また勃ってきた俺のそれを足先で弄ぶ。 その足を掴んで、それから唇にキスをした。 「危険な快楽だって」 「なにが?」 「月下美人の花言葉。当たってんじゃん」 ふくらはぎを撫でる。 「リョウちゃんも入れなよ、月下美人」 上に乗られる。 「ねえ、いいんだよね?俺、リョウちゃんのだよね?」 あー、やばい、 見下ろされて最高すぎる、 だけどまだちょっとだけ抵抗したくなる。 危険な快楽、もう俺はその前に屈した。だけど、もうちょっと…もっと… 「もっとぐずぐずになるまで、言わない」 ○おわり○

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