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3人でちょっと話したら、遙は自分でマットレスを敷いて、すやすや寝始めた。気を遣って、とかってわけでもなく、いつものマイペースっぷり。 「遙、かわいいねえ」 「僕は?」 「なに、嫉妬?」 「しますよ普通に」 「もー、ばかだなー」 頭を撫でられた。 ああ、うれしい、そう思った。やっぱりもっと会いたい。こうやって会ってる時間には特にそう思う。 メッセージとか電話だけじゃなくて、会いたい。 向かい合ってラグの上に座ってる今は目が合って、ちゃんと会ってるんだ、って、感覚になる。 手を握った。にぎにぎ、感触を確かめるみたいに。 「透は最近どう?」 「最近は相変わらずバイトして、絵描いて、」 「遙と毎日一緒にいるんでしょ?」 「えー」 「食堂でたまに、ふたりでいるとこ見てるよ」 「え、」 「ああ、遙といるなあーって」 「最近はシノも一緒にご飯食べてるけどなあ」 「シノと遙は結局もう、なんもないの?」 「んー…遙が僕と喋るのと変わんない感じでシノと話すようになって…仲良い友達って感じかな」 「そうなんだ」 手を引っ張られた。 充さんの方を見た。 「遙のこと、描きたいって思う?」 「まだ描かせてくれそうにないかな……!」 ぐいぐい近づいてきて、ガバッと膝の上に跨って座られて、びっくりした。少しだけ目線を上げたら顔がある。 近い、すごい近い おでこに何回かキスされた。 「好きだよ」 ぎゅーっと強くハグされる。 背中に腕を回して、背中を撫でた。 「俺のことも、まだ描きたいって思う?」 「思ってます、ずっと」 「いつ描いてくれる?」 すぐ鼻先にある滑らかなほっぺに、キスした。 「充さんをモデルにして納得のいく作品を作れるようになるまでにはまだ程遠いなあ、僕のスキルじゃ」 もっとうまくなりたいし、ならないとだめだ。 思い描く作品ができるように、もっとたくさん描かないとな。 顔中にキスされた。くすぐったい。 されるがままになってたらそのうち、耳を食まれた。多分舌で、からかうみたいに… 太ももの上で動く充さんの腰は、まあ、もう、そういう雰囲気を感じざるを得なくて、このままじゃまずい、どうにかなりそうだな、って思った。どうにかなりそう、しかもそれが充さんに分かっちゃったら恥ずかしすぎる。 笑われるくらいならいい。けど、軽蔑されたら? 男が男に? いや、付き合ってるんだよ、恋人、恋人ってそういうことするよな、だって充さんは女の人男の人どっちともそういうことするって、言ってたし、ということは別に、いいの?軽蔑もなにも、そんなこと深く思わないのかもしれない、けど キスはする、我慢できないから、だけどこんな、充さんの体に、どうにかしたいとか、汚してしまうようなことを、 だめだ、 咄嗟に距離をとった。上に座られてるから、そんなには離れられない。けど、できるだけ離れた。 「すみません、」 充さんは、小さく笑った。 「…ごめん。俺も、シャワー借りていい?」 「うん、どうぞ、使って下さい。タオルとか部屋着とか、出しときます」 「ありがとう」 膝の上が軽くなった。 それから、少し肌寒くなった。

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