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第228話
「先輩・・・、俺のこと本当に好きですか?なんか、最近当たりキツくないですか!?」
きっちり3分焦らしに焦らし抜かれざくろはベッドへ連れて行かれると九流に散々体を貪られた。
甘く優しい愛撫には程遠く、情熱的ではあったがとても激しく全てを奪い尽くすような抱き方にざくろは瀕死状態に陥った。
情事のあと、体が辛いとベッドの端で丸まりながらざくろがブツブツと不満と言う名の疑問を口にすると、九流はざくろを後ろから抱き締めるように引き寄せて後頭部へキスをした。
「俺の本気がまだ伝わってねーのか?そんなに足りてねぇ?」
首筋へ舌を這わせてくる九流にざくろは青ざめて腕から離れるように暴れた。
「嫌っ!た、足りてますっ!ちゃんと伝わってますっ!!!」
これ以上したら本当に身がもたないと叫ぶと、九流はクスリと柔らかく微笑んで、細い腕を引っ張った。
「どうして欲しいんだよ?俺は勝手な奴だからちゃんと言葉にして教えてくれねーと俺のやり方を押し付けちまう。ざくろの好みを教えろよ」
優しい声色にざくろの警戒心が解けていき、ひっそりと身を擦り寄らせて九流の胸元へ自分の額をくっつけた。
「先輩の好みってどんなのなんですか?今まで彼女とか沢山いたんでしょう?門倉先輩が言ってました」
ざくろの口から門倉の名前が出て九流は心の中で余計なことを吹き込んだ門倉をいつか殺すと誓う。
「彼女っていうか・・・、友達みたいなもんでちゃんと付き合うのは俺もお前が初めてだ」
少し動揺気味に答える九流の言葉にざくろはドキドキしながら上目遣いで見つめて質問した。
「先輩のこと、教えて欲しいです。何が好きで嫌いなのか。食べ物は?色は?甘党ですか?趣味は何ですか?」
ずっと聞きたかった自分の中での質問がどんどん溢れてくる。
九流は驚いて圧倒されたが、ざくろのキラキラ輝く瞳に見惚れた。
そして体を抱きしめて耳元で吐息を零すと輝く瞳を見つめて囁いた。
「俺の好きなもんと趣味全般、全部お前だよ」
本当に綺麗だと、九流はざくろへ優しく口付けた。
※ 「溺レる果実」掲載はここまでとなります。
続きはエクレア文庫様より発刊予定の電子書籍にてお楽しみ下さい。
ありがとうございました。
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