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第84話

ちょっと・・・ ちょっと、待って・・・・ 俺、昨日とてつもない失態を犯してない? 自室のシングルベッドで九流に包まれる様に抱きしめられて目を覚ましたざくろはそっと腕をすり抜けてベッドの端に座るとまだ眠っている九流を見つめて青ざめた。 夢・・・ 夢だよね? 俺、何した? 何て言った? パニックに陥っていると、いきなり腕を掴まれて九流の腕の中へ再び引き戻された。 「わっ!!」 「ん、・・・おはよう」 掠れた低く甘い声に恥ずかしくて硬直する。 「ざくろ、今日も可愛いな・・・。好きだ・・・」 耳元で囁き、こめかみへチュっと音を立ててキスされ、あまりの甘さに目眩が起こる。 「ざくろ?」 りんごの如く顔を真っ赤にするざくろの名前を呼び、唇へキスしようとしたら、ビクッと身を竦めてそのキスを避けれた。 「・・・・どうした?」 訝しげに聞かれ、色々と思考が付いていかず固まっていると九流にベッドへ引き戻されて両手を押さえつけられる。 自分の混乱する姿が黒く輝く瞳へ映し出されてまた羞恥に襲われた。 「照れてんの?素直にまた俺が好きって言ってみ?」 微笑みながら言われて、ざくろは昨夜の情事での記憶を一気に蘇らせた。 「まっ・・・、えっ・・ち、違うっ!違うんです!!あれは、その・・・混乱してて・・・」 青くなったり赤くなったりとしどろもどろ否定しようとするざくろに九流の顔がやらしく歪められた。 「素直になれねーならまた素直にしてやろうか?」 「ヒィッ!!!」 腰を撫で上げられビクンっと身体を跳ねさせるとざくろは首を左右へ振る。 「ち、違う!!やだっ!!!」 「嫌ならさっさと素直になれ」 九流はざくろの足を開かせてその間に自分の足を割り込ませて意地悪に笑った。

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