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第30話(R18)

風呂から出た二人は、裸のままリビングに移動し、ソファーに座ってキスをする。軽くついばむようなキスを繰り返すと、二人は次第にキスを深くし、舌を絡ませた。 湊の手が肇の身体を優しく撫でる。頬、耳、首筋を通って腕と性感を高める撫で方に、肇は次第に意識が溶けていくのを感じた。 (何だよ……あれだけしたいって言っておきながら、全然余裕じゃねーか) 二人の息遣いからして、肇の方が興奮しているような気がする。それが悔しくて、肇は湊の胸を撫でた。 いつどうやって筋トレしているのだろうか、筋肉が付きすぎていない身体は、グラビア撮影をして話題になった男性アイドルのような細マッチョだ。 「……んん、何か積極的だね」 湊は甘い声を上げると、笑い混じりに言う。 「ん? いい身体してんなーって。……っ、んっ」 肇も胸を撫でられ、指先が乳首を掠めて身体が震えた。 「そう? 肇の肌も、柔らかくて好き」 「……っ」 耳にキスをされ、肇は息を詰める。結局、自分から動いても湊に翻弄される羽目になるから悔しい。 すると湊は肇の正面に回る。そしてキスをしながら肇の手を湊の分身へと持っていった。 「……触って?」 「んん……」 返事はキスに飲み込まれる。肇は素直にそこを愛撫した。 湊の両手が胸を再び撫でる。既に硬くなった乳首を、指先で優しく擦られて、ゾクゾクと背中に何かが這い上がって天井を仰ぐ。 「……ふ……っ」 「……気持ちいい?」 湊が聞いてきたけれど、声も出せず頷くしかできない。時折くる快感の波に、背中を反らせて耐える。 「……やっぱり、声を我慢するのは癖なんだね」 今日は誰もいないのに、と耳元で囁かれ、思わず声を上げてしまった。 「は、恥ずかしいだろ……」 「……普段はハッキリ言うのに」 クスクスと湊は笑う。しかしその後に可愛いなぁ、と続けるから、肇は怒るに怒れない。 すると、湊は彼の分身を愛撫していた肇の手を取った。 「……どした?」 思わず見た湊の顔は、ニッコリ微笑んでいる。両手を指を絡めて繋ぎ、その優しい顔のまま、肇の乳首に吸い付いた。 「……っ!」 肇は思わず顔を顰めて顔を逸らす。ひとしきりそこを愛撫した湊は、胸からお腹へとキスを下ろしていく。 肇は上がった息を時折詰めながら、湊のキスの行方を目で追っていた。 しかし、下腹辺りにきたところで、肇はその先を予想してしまい、声を上げる。 「待て……っ、そこから下は手だけでいいっ」 思わず手を出して湊の頭を押さえたかったけれど、両手が繋がれている。その為に手を繋いだのか、と肇は慌てた。 「どうして? 気持ち良くなりたくない?」 湊は嬉しそうにニコニコして、肇のいきり立った分身を目の前にする。 「お、お、お前っ、抵抗無いのかよっ?」 肇は身をよじって逃げようとするけれど、湊が体重をかけていて動けない。 「全然」 彼はそう言って、肇のモノを口に含んだ。 「う、ぁ……っ」 温かい粘膜に包まれ、その気持ち良さに肇はゾクゾクが止まらなくなる。 湊の頭が上下している。それを考えただけで頭の中が白くなった。 「あ……あ、み、みなとっ」 止めろと言えず頭を左右に振るけれど、湊は止めてくれない。このままではイッてしまう、さすがに口の中には出せない、と思い、次々に襲ってくる快感の中、必死で湊を止めようと声を上げた。 「湊……っ、ダメだそれ以上はっ、……ああっ」 「……もう少しでイク?」 口を使っていたからか、湊の息も上がっている。先端にキスをされ、それだけなのにビクビクと身体が震えた。 「も少し我慢して?」 そう言って、湊は先端をチロチロと舐める。肇の敏感なそこは、ダラダラと先走りを溢れさせていた。 「んっ、んんーっ!」 声を上げたくないから口は閉じるけれど、悲鳴のような高い声が出てしまう。 顔が熱い、酸欠で頭がボーッとする、もうイキたい、肇の頭の中はそれらで占められた。 「あっ、……あうっ、だめ、もうだめ……っ、イキたいイキたいっ!」 「ダメだよー」 肇は、恥を捨てて声を上げる。けれど湊は愛撫を止めてしまった。 「な、何だよっ、止めろって言っても止めなかったり……っ」 湊が手と身体を解放してくれたので体勢を元に戻すと、湊は肇の片足の膝の裏を腕で引っ掛け持ち上げる。片足だけとはいえ、大きく局部を見せる格好になり、肇は両手で顔を隠した。 「だって、今日はここでするんでしょ?」 ここ、と湊は肇の尻の狭間を撫で、本来その用途で使わない箇所をトントン、と指で軽く叩く。 確かに言ったけど、と肇は顔を隠した両手を離せなくなった。 「力抜いて」 「……う」 指が入ってくる。焦れるほどゆっくり、湊はそこを慣らしていった。おかげで痛いと思う事は無いのだが、果たしてこれで気持ち良くなれるのか、肇は疑問に思う。 「……ん?」 肇は両手を顔から外してソファーに手をつく。すると湊は動かしていた指を、ある箇所を集中的に責め始めた。その度に肇の身体は、勝手に腰が動く。 「んんんっ」 肇は天井を仰いだ。湊の指が小刻みにその箇所を刺激し、肇は息を詰める。 「あ……っ、嫌だそれっ、いやっ、ああああっ」 身をよじって逃げたくなるほどの快感に一気に襲われ、あっという間に意識が飛んだ。ガクガクと身体が震え、身体が硬直する。 はあはあと肩で息をし、白くなった視界が戻ってくると、湊は嬉しそうに笑った。 「イッちゃったね」 気持ち良かった? と聞かれ、ボーッとする頭で力無く頷いた。 (何だこのBL漫画みたいな展開……) 初めてなのにドライでイクとか、オレどれだけ淫乱なんだ、と肇は顔が熱くなる。 「う……」 そして、もっともっと、とでも言うように、肇の後ろは疼くのだ。 「湊……」 「ん? もっとイキたい?」 湊の声が再び掠れ始める。それだけでも肇はゾクゾクと身体を震わせた。どうしてこれだけで感じてしまうのか、肇は戸惑う。 思えばバイト先でコスプレ趣味をばらされた時も、湊の声に反応したな、と思った。 「肇?」 無言で悶える肇を心配したのか、湊が顔を覗いてくる。女の子が放っておかないイケメンが、今は自分を見て興奮している、そう思ったらぶわっと全身に鳥肌が立って更に悶えた。 肇は見られているだけで声を上げそうになり、何だこの反応は、と目をぎゅっと閉じる。 「湊、な、何かオレ……っ」 「ふふ、すっごい感じてるね。見られてると興奮するの?」 湊のその言葉に、萎えていたはずの肇の性器がまた硬さを取り戻していく。何でなんだ! と肇はそこを両手で隠した。 後ろに入った湊の指は動かない。けれど、それを必死で飲み込もうと、自分の意志とは関係なくうごめく。 「ふ……っ、ん……っ」 「すごいよ? 肇、どうしちゃったの」 「知らねーよっ、……っあ! ああ……っ!」 湊の指が動いた。肇は首がもげるほど左右に振って快感に耐えるけれど、湊はやっぱり止めてくれない。太ももがガクガク震え、脳天を突くような快感と同時に身体がまた硬直して、二度目の絶頂を迎えた。 はぁはぁと荒い息をしていると、湊が後ろから指を抜く。 「う……っ」 肇はまた両手で顔を隠す。どうしたんだオレの身体、と恥ずかしさが今頃襲ってきた。 「はーじめ、顔見せて」 湊に手を優しく退かされる。肇は抵抗せずに顔を見せると、湊は嬉しそうに肇を見ていた。 「お前、何でそんなに嬉しそうなんだよ?」 「嬉しいよ? 肇が感じてくれてるから」 (……っ、そんな事を言うから……っ) 肇はカーッと顔を赤くする。そして、湊が嬉しいだけじゃなく、肇の様子を見て興奮しているのも分かって、更に顔が熱くなった。 「お前、その顔で見るのやめろ……」 「その顔ってどんな顔?」 肇が意味しているのは表情ではなく、容姿の事だったが、そこまでは恥ずかしくて、とてもじゃないけど言えない。 肇が答えない事に湊は気を悪くするでもなく、彼は肇の後ろに分身をあてがってきた。さすがに肇は身構えると、息、吐いて、と湊は自身も息を吐く。 「……っ、うっ」 息を吐いている途中で彼が入ってきた。止めちゃダメだ、と息を吐き続けていると、割とすんなり湊の全てを受け入れられる。 「ああ……肇……」 湊の吐息が耳元にかかり、ゾクゾクした。掠れた声は肇まで興奮させる。 動くよ、と宣言され、肇は刺激に身構えた。ゆっくり湊の分身が抜かれ、そしてまたゆっくり入ってくる。 「あー……なんか……気持ちいい」 「……っ」 湊が本当にうっとり呟くので、肇はまた先程のようにぶわっと鳥肌が立つ。すると、また後ろが疼き始めた。 「う、湊……ちょっと待てっ」 「ん? なに?」 「待てって……っ、っあ! 」 肇は制止を呼びかけたけれど、湊は構わずゆるゆると動いている。絶頂への前兆の感覚がして、思わず湊を止めるために、彼の割れた腹筋へと手を伸ばした。 それがいけなかった。 湊が、肇の後ろに入れて腰を振っている。 それを視覚的に捉えた瞬間、またガクガクと太ももと腰が震えて絶頂した。 「あ、…………うあ……っ!」 (何でこれでイクんだっ?) 詰めた息を吐き出すと、湊は止まって落ち着くまで待ってくれている事に気付く。その顔が、グッと近付いた。 体勢が変わり、奥まで入っている事を意識してしまい、肇は次の快感への期待と不安で悶える。 「本当に、すっごい敏感になっちゃってるね。このままするの、しんどいかな?」 湊は本気でしたら、肇が壊れちゃいそうだよ、と苦笑した。 肇はそれを聞いて、ここまで来て遠慮するのかよ、とイラッとする。自分を思いやっての事だろうけれど、こういう時こそ自分の意志を話すべきではないのか。 「……何だよ、やる気無くしたのか?」 「……っ、そんな事は……」 そんな事はないのは、肇に入った湊の分身を見れば分かる。 良いから来い、と肇は湊の首に腕を回すと、その唇にキスをした。 「……できるだけ、優しくするね」 「ん……っ」 湊が動き出す。肇はゾクゾクする身体をなだめ、まだダメだ、と言い聞かせた。 「痛くない? 大丈夫?」 肇は目を閉じて頷く。さっきは湊が腰を動かしているのを見てしまったからだ、と視覚的情報をシャットアウトすることにした。 しかし、後ろへの刺激でゾクゾクする事には変わりなく、目を閉じたことで余計に敏感に反応してしまう。 「ん……っ」 「……っ、肇、そんなキツく締めないで……っ」 「だって……っ、あっ、湊、また……っ」 まだダメだと言い聞かせたけれど、刺激には耐えられなかった肇は、またイッてしまった。しかも今度はお腹に熱い精液が飛んでいる。 しかし、イッたのは肇だけではなかったようだ、彼も顔をしかめて肩を震わせていた。 「ああもう、こんなに早くイクなんて……」 乱れた息をしながら湊は顔を上げた。肇と目が合うと苦笑する。 触れ合いだけの時ではこんなに早くなかったので、彼の中で色々と気持ちが膨らんだのだろう。それなら良しとするか、と肇は微笑んだ。

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