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第6話 マジックタイム

ありふれた一日がその時だけ震える マジックタイム すれ違う その一瞬 眩しくて 嬉しくて 触れたくて 囀るように 歌うように 誰に話しかけているの 見送る後ろ姿 視界から消えてく後ろ姿 ありふれた一日がその時だけ震える マジックタイム いつも通りすれ違うはずだった 囀るように 歌うように その声が 鼓膜に響く モノクロから カラーへかわった瞬間 立ち止まる君の ふり返る君の 瞳に僕が映る 唇に僕の名前 「君は寂しいの    悲しいの     嬉しいの    楽しいの 何故ここにいるの」 俯く僕にお構いなしに 「ねぇ 今が絶好なタイミング」 「ねぇ 今が絶対告白日和」 「ねぇ 今が絶賛両想い日和」 ざわめきも鳥肌もかなぐり捨て 最高のマジックタイム 「好きだ!」 「知ってたよ!」 君は茜色 君は僕のありふれた日々を あっと言う間に 煌めく 色めく 華やぐ 世界に変えて 繋ぐ手をくれた

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