1 / 14

ふたなりの少年

連れて来られた少年の服をまず剥いだ。 少年は泣いていたが抵抗はしなかった。 ここに来るまでにもう、運命を受け入れていたのだ。 15歳位か。 仕込むには少し遅い。 普通は10歳位からだ。 もっと幼いこともある。 15では18までが花の男娼では遅すぎる。 でも、着ていた着物から落ちぶれた貴族なのだということがわかる。 家のために売られた。 これも良くあることだ。 体面を保つ金を得るために、娘や息子を売る。 貴族の方が残酷だ。 少年の白い美しい肌と、黒髪は最近の流行だったが、顔立ちは美しくはあっても華やさには欠けた。 でも、まあ、そこは問題ない。 話の通りなら。 「脚をひらいて見せてみろ」 調教師は命じた。 少年は静かに涙を流して、寝台のうえで裸のままうずくまっていたが、調教師の言葉に、嗚咽しながら座ったままゆっくり脚をひらいてみせた。 開脚されたほそい脚の間にあるのは小ぶりのペニスだった。 小さなソレは客を喜ばせるモノではなかった。 幼い身体に不似合いに大きなペニスがあるような少年がウケるのだ。 そういう少年を客は犯したがる。 大きなペニスを勃起させた少年を女みたいに扱うのが良いと。 華やかさに欠けて、ペニスもこぶりな少年は、女装でもさせて背徳感で売るか、また被虐趣味のある客に売るかしかない。 だが、そんな少年がわざわざ調教師の元へ連れて来られるはずがないのだ。 大概の売られた少年は、すぐに使えるように男娼の館で、引退間際の男娼や男娼上がりの店の者に、数日がかりで馴らされ犯されてから店に出される。 その上で元貴族とでも言っておけば、貴族がキライな男たちが喜んで買って侮辱しながら犯すだろう。 この少年の容姿ならそれが妥当だった。 この調教師には大金が払われる。 この調教師が使われるのは、見込みのある、この界隈で売れっ子になり、大貴族たちが身を持ち崩すような、危うい夜の花を作り出すため、子供を作るためではない純粋な夜の快楽を味わうための高級玩具を作り出すためだった。 なのに。 何故この程度の少年が調教師のところに連れて来られたのか。 それには理由があった。 調教師は少年の前に座った。 少年が脚を開き無防備にペニスを晒す。その間に。 ペニスに優しく触れた。 少年は目を閉じて泣いていたが、ピクりと身体を震わせた。 「特別な身体を持ってると聞いている」 調教師はやわやわとペニスを扱き始めた。 そういう身体はまだ仕込んだことがない。 だが、引き受けたのはだからこそ、だ。 少年は目を開けて、調教師の指が与える感覚に驚き、そして身体を震わせた。 自分以外触れたことのないそこを、すご腕の調教師に弄らているのだ、我を忘れるのはすぐで。 「ああっ・・・なにぃ??それ・・・だめぇ・・・」 身を捩り、泣き出していく。 調教師の手をそこから剥ぎ取ろうとするが、当然やめて貰えない。 調教師の手を軸にして、淫らに動き始める。 尻をうかすようにくねらせて。 泣き叫ぶ。 感じることに慣れてないからこわいのだ。 華やかでは無かった顔が。怖がり、感じて、淫らに色ずく。 「わるくない」 調教師は言った。 調教師は人を堕落させ、破滅させていくような男娼しかつくらない。 この少年には。 その可能性はある。 だが容姿よりも何よりも。 この少年の身体には価値があるから連れて来られたのだ。 中々射精はさせなかった。 締め付けたり、緩めたりして、少年をじっくり追い詰めた。 調教師の指は、片手だけて、どこまでもいやらしく動き、少年を完全にコントロールした。 少年は脚をばたつかせ、抱きつくことを知らない両腕で虚空をつかみ、泣きながら射精を、請う。 出したい 出したい 出させて 叫び願う。 自慰くらいしか知らなかった少年は、他人の手のいやらしさに狂ってしまう。 「本当は、ここに来たら二度とここでイケなくするんだ。女にするために」 調教師は少年に言った。 でも、射精に導いてやった。 少年は泣きながら迸しらせた。 我慢の果ての射精に、全身で痙攣しながら。 「でも、お前は別だ。お前を女にする必要はない。お前だけは前でもイケるようにする。だってお前は・・・」 調教師は射精してひくついているペニスの下、普通より小さな睾丸の下を探った。 指先でそこをなぞると、身体が敏感になってる少年は、高い声をあげた。 指先に熱い粘膜を感じた。 そしてそこは濡れていた。 そこに、それはあった。 勃起したときには睾丸が持ち上がるから調教師には見えていた、ソレ。 少年の身体にはペニスと共にそれがあった。 「女にしなくても、お前には女の部分もあるんだからな」 調教師は囁いた。 そう、ふたなり。 貴重な身体。 男の性器と女の性器の両方を持つ。 この少年はだから調教師の元へつれて来られたのだ。 男娼であり、娼婦でもある、一番の花をつくりだすために。 「お前は沢山の男たちを滅ぼすよ」 調教師は囁いた。

ともだちにシェアしよう!