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第10話 黙って飲まれとけ

 祭り会場の公園は、山の麓。  俺の背丈ほどの高さがある手入れされた生け垣を抜ければ、木々が生い茂る雑木林に入る。 「そのままじゃ帰れねぇだろ?」  呆れ気味に声を放った誓将先輩の視線が、俺の股間を見やる。  その視線にすら、反応を示しそうになる俺の下半身。  すっと腰を落とした誓将先輩の両手が、なんの迷いもなく、俺のベルトにかかる。 「え? ちょ……」  慌てた俺は、ベルトを外しにかかる誓将先輩の手を握る。  その手を握り返してきた誓将先輩は、挑戦的な瞳で俺を見上げ、服の上から鎮まりきらないペニスに柔く噛みついた。  文字通り、急所を押えられた俺は手も足も出せない。  鼻先を半勃ちのペニスに擦りつけながら、誓将先輩が口を開く。 「しゃぶって欲しくねぇの?」  生唾を飲み込んだ俺の喉が、ごくりと鳴った。  俺の興奮が伝播する空気に、誓将先輩がにたりと笑む。 「黙って飲まれとけよ」  黙って“空気に“飲まれとけ。  黙って”オレの口の中に“飲まれとけ。  どっちとも取れる言葉を放った誓将先輩は、鼻先で俺の股間を擽る。  俺を捕まえ、両手が塞がっている誓将先輩は、ジッパーのスライダーを歯で挟む。  顔ごと下げ開けられたジッパーに、窮屈そうに盛り上がる下着が覗く。  もう邪魔はしてこないだろうと手を放した誓将先輩は、隙間から覗く下着に口づけながら、前を寛げる。  くっきりと浮かび上がる俺のペニスの形。  下着のゴムを摘まみ、外に開いた誓将先輩は、上からその中を覗いた。  その視線にすら嬲られているような気がして、カウパーが溢れ出すのを止められない。  下着を剥かれても、俺のペニスは上を向いたまま、淡いピンクに色付けられた誓将先輩の口の中へと入りたいと伸び上がる。  微かに開かれた唇から伸びてきた真っ赤な舌が、こぷりと溢れたカウパーを掬った。 「………っ」  滑った熱い感触が先端を掠めただけなのに、ぞわりと背が痺れた。  危なく喘ぎを零しそうになった口を両手で塞ぐ。  れろぉっと付け根から先端へと舌を這わせた誓将先輩は、喘ぎを堪える俺を見やり片方の口角を上げる。 「すぐ出そうだな」  形を確かめるように、指先で軽く扱いた誓将先輩は、躊躇(ためら)うコトなく俺のペニスを口腔内へと誘った。

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