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油断大敵な二人の関係
「別に?ムキになる葛城さんが可愛いなと思って…――」
「なっ、何……!?」
その言葉にカッとなった。
「葛城さん、さっき俺のことみてましたよね?」
「なっ……!?」
「ほらやっぱりそうだ。葛城さんは何でも、顔に出るタイプですね?」
阿川はそう言って来ると、さっき持っていた紙を今度は右手に移しかえた。
「俺が女にチヤホヤされて葛城さん怒ってましたよね?」
「なっ、何だと……!?」
「俺知ってましたよ。貴方は気づいてないと思うけど、けっこうキツい目で彼女達を睨んでましたもんね。それってもしかして焼きもちですか?」
その言葉に心臓がドキッとなると、ついムキになって言い返した。
「だっ、誰がお前なんかに……!」
「あれれ? 図星ですか?」
「なんだと……!?」
「ますますムキになっちゃって可愛いなぁ」
「お前イチイチうるさい……!!」
ムキになるとアイツの右手から持ってる紙を力付くで奪った。そして、そのまま部屋を出ようとした。するとあいつが俺の右腕を背後からグッと掴んできた。
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