20 / 126
油断大敵な二人の関係
「はっ、離せ……!」
背後から右腕をグイッと掴まれると、とっさに振り向いて奴を睨み付けようとした。するとアイツはまた顔を近づけてきた。
一瞬キスされそうになった。その事に気がつくと右腕で顔をガードした。だけどアイツは腕を無理矢理ほどくと、またキスしてこようとしてきた。
「やっ…! やめろ…! やめっ……!」
「葛城さん…――」
「ッ……!」
アイツに名前を呼ばれると全身が熱くなった。
そして、息もあがった。阿川は俺の名前を呼ぶとそのまま熱い眼差しで見つめてきた。
その眼差しで見つめられると、胸が苦しくなる。そしてそのままアイツの唇が自分の唇に触れそうになった。
「だっ…だめだ…――!」
雰囲気に飲まれそうになると、とっさにアイツを突き飛ばした。その瞬間、阿川は後ろに一歩身を退いてジッと見つめてきた。その眼差しに全身がビクッとなった。
ともだちにシェアしよう!