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油断大敵な二人の関係
「おっ、お前…! 何急に言ってるんだ……!? 嫉妬だって…!?」
アイツの口から出た言葉に思わず目を丸くして驚いた。
「お前、何か誤解してるんじゃないか…!?第一、アイツらとは只の飲み仲間で…――!」
「飲み仲間……ですか、俺がそれを真に受けると思いますか?」
阿川はそう言ってくると目は真剣だった。その表情に思わず息を呑んだ。
「俺の誤解ならいいですけどね…――」
「お前さっきから何がいいたいんだ…!? そんな事で嫉妬してるのか…!? みっともないぞ、頭を冷やせ!」
そう言って左腕を振り払うと、急足で部屋から出て行こうとした。
「みっともないですか…。すみませんね、みっともなくて。それでも俺は貴方が好きだから自分でもみっともなくもなりますよ…――!」
アイツは背中越しでそう言い返してきた。その言葉に胸がドキッと高鳴ると、もうその場にいるのも辛くなって、逃げるように部屋から飛び出した。そしてそのまま部署から飛び出すと、近くにあるトイレに逃げ込んだ。
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