40 / 126

油断大敵な二人の関係

 ――その翌日、俺は社内のエレベーターでアイツと偶然あった。昨日の事をアイツに聞かれるような気がして身構えていたら、阿川は俺の方をチラッとみた癖に何も言わずに無視してきた。 無視されたと思うと、俺は気持ち的にもイラついてきた。ついでに拳を強く握って下唇を噛んだ。 ――俺はこいつに、無視をされるようなことをした覚えなんてない。寧ろこっちが無視したい気分だ。 なのにこれは何なんだ? そう思うと余計に腹が立ってきた。

ともだちにシェアしよう!