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油断大敵な二人の関係
――その翌日、俺は社内のエレベーターでアイツと偶然あった。昨日の事をアイツに聞かれるような気がして身構えていたら、阿川は俺の方をチラッとみた癖に何も言わずに無視してきた。
無視されたと思うと、俺は気持ち的にもイラついてきた。ついでに拳を強く握って下唇を噛んだ。
――俺はこいつに、無視をされるようなことをした覚えなんてない。寧ろこっちが無視したい気分だ。
なのにこれは何なんだ?
そう思うと余計に腹が立ってきた。
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