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油断大敵な二人の関係

「ッ、 阿川の野郎……! いきなりキスなんかしてきやがって……!人の気持ちなんてお構い無しに、あいつは…--!」 あいつはいつも強引に俺の心に土足で踏み込んでくる。それなのに、あいつをなかなか拒めないでいる。嫌いって言ってしまえば簡単な話なのに、そうすればこんな思いしなくて済むはずなのに、なのに嫌いになれない……。 「これが本気の恋愛ってやつなのか…――」 よりによって、同性同士の恋愛で気づかされた。 俺が思っている以上に、あいつは本気で俺のことを好きなのかも知れない。なのに俺は、まだ答えが出せていない。今はどうしたらいいかわからなくて、あいつから逃げて、心が宙をさ迷ってるのかもしれない。 「このままじゃ、まずいよな……」  俺はあいつの気持ちにいずれは、答えを出してやらないといけない。なのに俺はその答えを出す勇気がない。 「困ったな。どうしよう…――」  あいつのことを考えるとさっきのことを不意に思い出して体が熱くなった。そして、胸のあたりがまだ苦しい。微熱のように体を熱くさせると、ぎゅっと自分の体を抱きしめた。

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