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油断大敵な二人の関係
「えっ……!?」
右手をいきなり掴まれると、ハッとなって後ろを振り返った。そしてそのまま強引に体を壁に押し付けられるとアイツが壁に向かって両手をついてきた。
そして強い眼差しで俺の事を見てくると次の瞬間、屈んでキスをしてきた。いきなり口を塞がれると、されるがままにあいつに唇を奪われた。
「ンッ……ンン……!」
「ッ……ン……!」
抵抗する余裕もなかった。強引にキスされて、頭の中と体が熱くなって仕方なかった。そして胸の中が苦しくなって息苦しくなるとあいつの背中に爪を立てて抵抗した。不意に唇が離れると、俺は赤面した表情でアイツの顔を思いっきり叩いた。
「お前一体、どういうつもりだ…――!?」
そう言って怒鳴ると、あいつは俺を見てクスッと笑ってきた。
「――葛城さん、相変わらず隙だらけですよ。」
「何ッ……!?」
「俺、前に言いましたよね?隙あらばドンドン攻めるって。はったりだと思ってるなら大間違いですよ。あと1つ言っておきますけど、あの人には絶対負けませんから。負けるつもりもなければ、貴方を渡すつもりもないです――」
「あ、阿川………!?」
あいつはいきなりそう話すとエレベーターから出て行った。俺はその言葉に動揺するとそのまま壁際に凭れてため息をついた。
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