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不機嫌な彼。
「今度、僕も混ぜて貰ってもいいですか?」
「え?」
「あ、ほら――。葛城さんと今度飲みに行くんですよね? その時、俺も一緒に飲みに行きたいなと思いまして。別に問題じゃ、ないですよね?」
「あっ、ああ…!葛城や萩原が良ければ、俺は全然構わないぞ?」
「じゃあ、決まりですね! 二人には俺の方から話しておくので、待ち合わせの場所を教えてもらえますか?」
そう言って話しを進めるとスマホのスケジュール帳を開いてメモしようとした。すると彼は何だか浮かない表情だった。
「どうかしましたか?」
「あ、いや。別に何でもない…――」
「そうですか?」
俺は嫌みな感じで愛想笑いをすると、白々しく尋ねて聞いた。
「――じゃあ、金曜日の夜。仕事終わってからその居酒屋に行けば良いんですね?」
「そ、そうだな……。じゃあ、金曜日の夜に一緒に飲みに行こう…――!」
「ええ、楽しみです」
柏木さんは俺が強引に話を進めると、ただ半笑いばかりしていた。彼のその反応を見ながらさらに踏む込んだ。
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