57 / 126
不機嫌な彼。
「じゃあ、すみませんがよろしくお願いします――」
「ああ、任せとけ!」
俺そう言って彼に一言頼んだ。心の中はモヤモヤした気持ちでいっぱいになった。
″なんで?″とか、″どうして?″とか、女々しい言葉ばかりが頭の中に浮かんだ。葛城さんとは古い仲だと知りながらも、彼に対して嫉妬してしまう。
俺でさえ知らないのに、彼は葛城さんの電話番号を知っている。ただの飲み仲間なのに――。
葛城さん、俺に何か隠してるのか?
俺に知られたらまずいことなのかな?
俺に――。
ともだちにシェアしよう!