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不機嫌な彼。

「じゃあ、すみませんがよろしくお願いします――」 「ああ、任せとけ!」 俺そう言って彼に一言頼んだ。心の中はモヤモヤした気持ちでいっぱいになった。 ″なんで?″とか、″どうして?″とか、女々しい言葉ばかりが頭の中に浮かんだ。葛城さんとは古い仲だと知りながらも、彼に対して嫉妬してしまう。 俺でさえ知らないのに、彼は葛城さんの電話番号を知っている。ただの飲み仲間なのに――。  葛城さん、俺に何か隠してるのか?  俺に知られたらまずいことなのかな?  俺に――。

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