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急接近。
「――ッ、葛城さん」
一瞬、彼がまだ部屋に居るのかもと期待した。だけど葛城さんは既に帰って姿は無かった。
「ああ、すれ違った……。せめて帰る前に一言話したかったなぁ」
そこで切ない溜め息をつくとガクンと肩を落とした。不意にソファーの前にあるテーブルに目を向けると彼の置き手紙があった。
「あっ……!」
置き手紙を見ると、彼の文字で伝言が書かれていた。″テーブルの上は片付けておいた。あと朝食も作ってやった。残さずに食べろよ。″
そこには彼の優しさがあった。テーブルの上には作りたての手料理がトレーの上に置かれていた。
「葛城さん……!」
彼の優しさを感じると、急に会いたくなった。こんな時に電話番号がわかってたら話せるのに…――。
その時、近くに置いてあった自分の携帯に目がとまった。こんな所に携帯置いたっけなと、首を傾げると手に取った。すると画面には、見知らぬ電話番号があった。
「――え、これってもしかして……!?」
直感でその見知らぬ番号にかけてみた。すると電話に彼が出た。
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