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第1話
冷たい目をした少年だった。その歳に似合わない、この世のすべてを見下し、暖かな感情などひとつも無いといったような、凍てついた瞳。
泣きじゃくる妹を背に隠して、精一杯の虚勢を張りながら少年を睨みつける。
妹を守るのは自分の役目だ。他人は勿論、母に頼るなどという選択肢も存在しない。
少年が真っ直ぐに向けてくる冷たい瞳が映すのは己か、それとも妹か。それすら頭にはなく、ただ目に力を込めて少年を睨みつけた。
妹を泣かせるモノはすべて敵だ。
アルファは――敵だ。
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