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にゃんとビックリ不思議なおくすり 2<ネコの日SS>
「もしかして、嬉しい?」
「俺も良く分かんねぇにゃん」
「その声で、にゃんって言われてもホント違和感しかないですけど……何か、いつもより可愛いですよ?」
「うっせぇにゃん!」
格好つかねぇんだよなぁ。
アホみてぇだからなるべく喋りたくねぇんだが。
レイヴンを無視するわけにもいかねぇし。
「く、くすぐってぇにゃん」
「でも意外と気持ちよさそうですけど? だって俺の手にすりすりしてる気が……」
まさか、無意識で猫よりになるのかよ!
クッソ、余計に俺じゃなくてレイヴンに使うべきヤツじゃねぇか!
しかし、やたらと撫でられてんな。
何で床に座ったまま撫でられてんだか。
何か気分もいいから、このままされるがままでもいいがやられっぱなしってのもなぁ。
レイヴンを見上げてニヤっと笑んでから、腕を引っ張ってレイヴンのことを抱きこむ。
尻尾を何とか動かしてみると、一応俺の言う事も聞いて尻尾が動く。
ギリギリだが、レイヴンの手には届いたな。
手首をペシペシして、お返しとばかりに擽ってやる。
「ちょっ! 何してるんですか!」
「んー? ご主人さまに可愛がってもらおうと思ってにゃあ?」
「確かにからかいましたけど、今はやるべきことがって……ひゃっ!」
猫っぽく首筋を舐めてやると、レイヴンが嫌がる。
本来ならもっと力で押せるはずなんだが、どうも力の入り方は弱い。
レイヴンの強化 の効果がいつまでか分からねぇが、本気を出されるとたぶん力負けしそうなんだよな。
だが、突発的なことに弱いレイヴンは動揺してるから今ならいけそうだな。
逆に甘えるようにレイヴンの胸元に顔を埋めてフリフリと顔を振る。
たぶん位置的に猫耳がレイヴンの顔辺りにいくはずだ。
「く、くすぐった……ふわふわ……っ」
「何か、レイが良い匂いで興奮するにゃん」
「ちょっと、盛らないでくださいっ! うぅ、耳もふもふしますから!」
「そ、それは反則だにゃあ。力が抜けてきて駄目だにゃん」
耳を触られると、擽ったさと妙な気持ちよさでレイヴンを抱きしめていたはずの手が落ちてくる。
何か、攻められてる気分なんだが。
レイヴンの香りにやられて反撃できねぇし。
別に悪かねぇけど、この薬の成分はもっとじっくり研究する必要がありそうだ。
「え、テオ。甘えてるんですか? そんなに顔を擦りつけて……顔は可愛くないですけど、仕草は確かに猫っぽい……」
「俺に言われたって困るにゃん。身体が勝手に反応してんだからにゃあ」
おいおい、レイヴンの顔が輝いているのは気のせいか?
「今日やるべきことは俺とテオが後でやればいいですし。もうちょっとテオを可愛がるのも悪くないかも? いっつもやられっぱなしだから……いいですよね?」
「薬の効果がいつまでかは知らないから、切れるまでは別に好きにすればいいにゃん」
「ふふふー。可愛くないのにだんだん可愛くみえてくるのが不思議。猫って凄い! ほら、テオ。お手」
「それは犬だにゃん」
このアホらしいことが後どれくらい続くは知らねぇが。
まぁ、レイちゃんが生き生きしてるから好きにさせとくか。
いつか改良してこの薬を使ってやればいいし。
今はどんな効果があるのか仕方なく自分で試すしかなさそうだ。
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