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大人のチョコレート<バレンタインSS 4>※

   レイヴンは俺の揺さぶりに縋りつくように、俺の両肩に爪を立てながら身体を合わせてくる。  より気持ちよくなるように、自分で当たる位置を調整してるっぽいな。 「あぁぁんっ! あ、あぁぁっ!」 「そんなにがっつかなくても、逃げねぇって」 「んっ、うんっ! テオっ、もっとちょうだいぃ」 「あぁ。いくらでもやるよ」  ソファーがギシギシと音を立てるのもお構いなしに、レイヴンは俺だけをひたすら貪ってんな。  首筋へ強めに噛みついても、快楽に溺れた喘ぎ声しか発さない。  噛み跡を優しく舐めて、今度は思い切り唇で吸い上げてやる。 「ひぅっ! うぅぅんっ」 「気持ちよさそうだな。しっかし……こんな調子で大丈夫か? 俺はいつも以上に堪能できて満足だがなァ」 「いいからぁ、はやくぅ」 「いいぜ。今日は腰が抜けるまでヤッちまうか」  もう一度最奥を突いてレイヴンをイかせてから、今度はソファーへ押し倒して後ろから突き上げていく。  +++ 「はー……あぶねぇ。ソファーを壊しちまうところだった」 「うぅん……も、たべられない……」  レイヴンが満足して気絶するまで繰り返してたら、そのうちソファーが嫌な軋み方をし出したからな。  行為の最中にソファーへ強化魔法をかける羽目になっちまった。  ったく、手間かけさせるんじゃねぇっての。  疲れてすやすやと俺の腕の中で眠っているレイヴンの髪を整えて、俺もソファーへ一緒に倒れ込む。  さすがの俺もすぐには立てそうにねぇな。  身体のべたつきだけ魔法でキレイにしておきゃ問題ないだろ。  くっついてりゃ寒くもねぇだろうし、俺も少し眠らせてもらうとするか。  +++  結局、俺より先に目を覚ましたレイヴンがソファーで寝てることに動揺してあたふたしながら俺のことを起こしてきた。  最中のことは詳しく覚えてねぇみたいだし、レイちゃんが可愛かったから一回だけしたと言ったら納得して大人しくなった。 「何だか頭が痛くて……やっぱりお酒のせいでしょうか?」 「そうじゃねぇの? 可愛かったからちょっと悪戯しただけだし、気にすんなって」 「テオのちょっとって……信用できないんですけど……」 「ひでぇなァ? 俺は叩き起こされても優しく説明してるってのによ」  ぶつくさ言ってるが、大人しく部屋で泊っていくって言うから今度は二人でベッドに寝転んだ。  レイヴンは俺が抱きしめると、甘えるようにくっついてきてそのまま眠っちまった。 「今日のことは俺だけの胸にしまっといてやるよ。美味しいチョコのお礼ってことでな。だが、怪しいモンを混ぜてレイヴンに売りつけたヤツはすこーしお仕置きしてやらねぇとな」  媚薬なんていう代物はそれなりの店で取り扱ってもらわねぇと。  こっそり酒に混ぜて儲けようなんて、ウチのおっかねぇ国王様が許しちゃくれねぇだろうからな。  どうせ飲ませるなら、俺が作ったお手製の媚薬で事足りるしなぁ。  まあ……乱れたレイヴンを愉しめたことだけは良しとするか。

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