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第18話(4)

「仕事中なら待ってるけど?」  見た目に反して綺麗に整頓されたデスクから離れてソファーに移動すると、ぐるりと辺りを見回す。  生けられた花も置いてある観葉植物も丁寧に世話されていて、置いてある棚も資料はきっちり整頓されていた。  いつ来てもここはスッキリ整えられた無駄のないオフィスだ。 「いや、これは急ぎじゃないけどお前が来るまで時間があったからやってただけだ」  パソコンを少しいじってメガネを外したナルはゆっくりこっちに歩いてくる。  普段ホテルで会う時はナルもラフな格好が多いからスーツ姿は貴重だ。 「何?惚れた?」  ジャケットを脱いでネクタイを緩める姿はまぁ嫌いじゃない。  ただ、今はドキッともしなくて笑いが込み上げた。 「ううん。僕、やっぱりあの人が好きだなぁって思っただけ」  眉を寄せるナルを見たって店長の姿を思い出すだけで、むしろ会いたくなる。 「……へぇ、あのサクがねぇ……」  同じソファーに座ってきて顔を背けても無理矢理向かされてキスをされた。  思いっきり腕を捻ると、慌てて離れたナルは腕を擦りながら笑い出す。 「何!!マジで!?息子取られた気分ってこんなんかなぁ」 「息子?さんざんヤった僕を息子と思えるなら凄いよ。ナルは」  睨むとナルは自分のシャツのボタンを全て外して整えてあった髪を少し乱して掻き上げた。

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