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第10話
未だに耳の中を犯され、響く水音と自分の喘ぐ声とかで頭がおかしくなる。
時々耳元で可愛いやらエロいやら言うから、兄貴の興奮してる声がダイレクトに伝わる。
キスされ、反対側の耳を犯されながら、ワイシャツのボタンを外される。
熱を帯びた熱い手の平が胸元を撫でるように触る。ソフトタッチだからか、逆に過剰反応する。つまり、肌を撫でられてるだけで、ゾクゾクしてくる。
「んぁっ、んんぅぅん、」
パッと触れていた感触がなくなり、少しだけ離れて上から見下される。
「・・・・・・お前さ、可愛いっつーか、エロい。そんな顔して見るなよ。」
「んあ?な、に?」
頭がボッーとしてていまいち何を言われてるのかわからない。
「なあ、抱いていい?最後までしねえから。」
息が・・・・・・、
耳元にかかるーーー・・・・・・。
それだけでゾクゾクして、言葉にするのは嫌で無言で頷いた。
さっきまで与えられてた快楽に、突然離れた熱に、身体が勝手に求める。
ひょいと軽々と抱き上げ、ベッドへ連れてこられた。
先程と同じように組み敷かれ、下から兄貴を見る。
それは俺の知らない男の顔した兄貴でーーー・・・・・・。
大人の色気とか感じてしまって、この状況にかぁぁと身体中が熱くなる。
こんなことありえないのに。
兄弟で絶対にありえないのに。
ノーマルだったはずの俺が男に抱かれるとか天地がひっくり返ってもありえないって思ってたのに。
今更、後戻りもできなくてーーー・・・・・・。
頭の中では若干パニくってたりするけれど、少しだけでも知ってしまった快楽を与えて欲しくて。
兄貴の首に腕を回して、自らキスをした。
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