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第20話

数十分後ーーー。 「うーん。これも駄目か。」 「・・・・・・。」 「俺とお前じゃ身長差がなあ。」 「・・・・・・(イラ)」 さっきから何をしているのかと言うと、出かけるにしても一旦家に帰って着替えたいという俺を制止し、すぐに出かけたいからと自分の持ってる服を着せようとする兄貴によって何度も何度も着替えさせられる。 「はあ。仕方ねえな。」 初めにというか昨夜着替えたときにわかってんだろうが。俺はてめえと違って背低いんだよ、バーカ。 と言いたいところだけど我慢する。 「お前の家に寄ってから行くか。」 そう言うと、急いで身支度を整え、車に乗る。 自宅に向かいながらもさっきからずっと気になっていることがある。 後ろの席に置いてあるかばんは何だろうか。 一泊できそうなくらいの大きさのかばん。 バックミラーで確認しつつも何となく聞かないでいるうちに自宅へ着いた。 「俺ここで待ってるから用意してきて。」 「はあ。」 「あ、一泊できるように用意しろよ。」 「は?何で?」 「そのまんまだけど?」 何やらスマホ弄りながら少しイラついて言うから俺はわけのわからないまま、一泊できる用意をして車に戻った。

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