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第37話

お昼休み。 屋上で俊也とお昼ごはん中、切り出された。 「今夜さ、樹。外で食べよ。オシャレしてきてよ」 パンを片手に目を丸くした。 「....オシャレ?でも、俺、オシャレな服とか持ってないよ」 「今のままでも充分なんだけどさ。特別な夜を過ごしたいな、て。だから、樹なりのオシャレで構わない」 「....俺なりの」 「そ」 そうして、俊也はカプ、とコロッケパンを頬張った。 「....だったらさ、俊也に見立てて欲しい」 「俺に?」 「うん。俊也、オシャレだし」 「そんな事ないけどw わかった」 ようやく互いに顔を合わせ、笑いながら、今日もチビな俺のぶん、俊也が買ってくれたパンを食べた。 ....特別な夜。どんな意味だろう...。 どんな夜になるんだろう。 不安より期待と楽しみでつい笑顔になる。 早く授業、終わらないかな。 そして、俺と俊也は一緒に寮に戻り、俊也は俺の部屋に来ている。 俊也にクローゼットを開け、中を見せた。 「ね?オシャレな服、無いでしょ」 「んー、てか、服そのものが少ないな」 確かに俺はあまり服、買わないかも。 「今度、俺が見立ててやるし、一緒に買い行くべ。それか、一緒にネットで探してもいいし」 クローゼットの中の服を選びながら。 そんな俊也の背中とたまに服を選んでる、横顔とを眺める。 「....ミルクティーも」 「ん?ああ、だな。バニラエッセンスとシナモン、他にもなんかあるかなぁ、考えとく、レシピ」 「うん」 微笑みながら、頷いた。 俊也に、あまり着ていなかった薄手の白と薄いパープルのシャツとベージュ色のデニムを渡された。 「これとかどう?」 「着てみる。俊也、後ろ、向いてて」 「うん」 制服を脱ぎ、俊也の選んでくれた服に身を包み、俊也を向いた。 「どう....かな」 「うん、似合ってる」 にこっと俊也が優しい笑顔をくれた。 一度、俊也の部屋に行き、俊也はあっという間に私服に着替えた。 センスあるな、と毎回、思う。 黒地に所々、ファスナーが付いたトップスと真っ白な細身で俊也の長い脚を際立てるパンツ。

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