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第76話

「えっ?あ、いや、何処か星が見れる場所ないかなあ、て話してたんだ。俊也が満天の星空が見れるとこ、いつか行こう、て行ってたから」 慌てて、精一杯の嘘をついた。 「....ふーん。あるはあるけど」 そうして、俊也は元いた俺の隣に座り、烏龍茶のグラスを傾けた。 俊也は涼太や豊にも小籠包をオススメし、2人とも、 「うまっ!」 「美味しい!」 2人の反応にご満悦そうで、俺には、 「樹はまた海鮮焼きそば?」 と尋ねてきて。 どうやら、俊也が好きらしい、海老チリに海老マヨ、今日は2人がいるから、2人もそれぞれ、俊也に尋ねたりしながら、料理を選んだ。 餃子に炒飯、野菜炒め、涼太が食べたいという天津飯に豊が食べたいという春巻き、骨付きの唐揚げ、チューリップっていうらしい。 「うちの所有してる別荘もあるし、コテージかペンション借りる、て手もあるし」 「えっ、俊也、別荘あるの!?」 「えっ、うん。俺の所有じゃないし、父親だけど。三軒ある」 「三軒....」 涼太と豊もびっくり眼で俊也を見る。 俊也は気にとめてないみたいで、春巻きに箸を伸ばし、齧り付いた。 「あ、でも、豊だって、別荘あるじゃん」 そう、豊の家もお金持ちで、別荘がある、て聞いた事がある。 行ったことは無かったけど。 「あるはあるけど、一軒だけだよ」 ....一軒でも凄いと思うけど。 「あー、なんなら、別荘行く?コテージやペンションはコンシェルジュに頼んで、予約入れて貰えるかも」 「コンシェルジュ?」 涼太と豊が声を揃えた。 「あー、うん。樹には話したんだけど、俺が持ってるプラチナカード、コンシェルジュのサービスも付いてるんだ。電話一本の便利屋さん。中学の頃、自由に買い物とか行けなかったから、母親が持たせてくれて...」 俺も、涼太も豊も俊也を見たまま、テーブルの上の皿の料理に箸を伸ばした。

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