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星を見に行こう
「えっ?あ、いや、何処か星が見れる場所ないかなあ、て話してたんだ。俊也が満天の星空が見れるとこ、いつか行こう、て行ってたから」
慌てて、精一杯の嘘をついた。
「....ふーん。あるはあるけど」
そうして、俊也は元いた俺の隣に座り、烏龍茶のグラスを傾けた。
俊也は涼太や豊にも小籠包をオススメし、2人とも、
「うまっ!」
「美味しい!」
2人の反応にご満悦そうで、俺には、
「樹はまた海鮮焼きそば?」
と尋ねてきて。
どうやら、俊也が好きらしい、海老チリに海老マヨ、今日は2人がいるから、2人もそれぞれ、俊也に尋ねたりしながら、料理を選んだ。
餃子に炒飯、野菜炒め、涼太が食べたいという天津飯に豊が食べたいという春巻き、骨付きの唐揚げ、チューリップっていうらしい。
「うちの所有してる別荘もあるし、コテージかペンション借りる、て手もあるし」
「えっ、俊也、別荘あるの!?」
「えっ、うん。俺の所有じゃないし、父親だけど。三軒ある」
「三軒....」
涼太と豊もびっくり眼で俊也を見る。
俊也は気にとめてないみたいで、春巻きに箸を伸ばし、齧り付いた。
「あ、でも、豊だって、別荘あるじゃん」
そう、豊の家もお金持ちで、別荘がある、て聞いた事がある。
行ったことは無かったけど。
「あるはあるけど、一軒だけだよ」
....一軒でも凄いと思うけど。
「あー、なんなら、別荘行く?コテージやペンションはコンシェルジュに頼んで、予約入れて貰えるかも」
「コンシェルジュ?」
涼太と豊が声を揃えた。
「あー、うん。樹には話したんだけど、俺が持ってるプラチナカード、コンシェルジュのサービスも付いてるんだ。電話一本の便利屋さん。中学の頃、自由に買い物とか行けなかったから、母親が持たせてくれて...」
俺も、涼太も豊も俊也を見たまま、テーブルの上の皿の料理に箸を伸ばした。
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