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第81話

みんなでコテージの部屋を探索しまくった。 寝室は三つあり、また扉を開けると別にもう二部屋、大きな窓からは広大な自然が一望できる部屋がある。 カウンターキッチンの連なったリビングですら、だだっ広いのに。 「すげー!ジャグジーがある!」 「トイレもだよ!3つある!」 みんながキャーキャー、ギャーギャー、大騒ぎ。 俊也はビニール袋から食材とかを冷蔵庫に詰め、なにやら俺たちに渡したのは。 「勝手にごめん。あった方がいいかな、て思って」 それぞれの私服や俺と涼太には抑制剤。 「ありがと、俊也」 にこっと俊也が微笑み、 「空、見に行こ!」 と、コテージの真上に向かう階段に向かう。 そこにもジャグジーがあり、近くにはテーブルに長椅子。 空も良く見えるし、木々も見えて、下を見ると草原が広がっている。 「あー...なんか曇り空だね」 手摺りに捕まり、空を仰ぐ涼太が残念そうに言う。 「でもさ、明日までだろ?明日の天気、どうだろ」 すぐさま、豊がポケットからスマホを取り出し、天気予報のチェックをした。 「明日、晴れみたいよ、90%なら、確実じゃね?それに、今は曇ってるけど、おいおい晴れるんじゃない、案外」 「だといいなあ」 俺はしょんぼりして、空を見上げた。 曇り空なせいで、僅かに月は見えるのに、俊也が好きな星が見えないせいもある。 「とりあえず、今日はどうする?樹が恥ずかしがるかな、と思って水着も用意して貰ったんだけど」 「あー、子供サイズ?」 また豊に茶化された。 「んにゃ、一応、Sサイズ。二人の分もあるよ」 「俺は別に裸でいいけど」 豊が言うなり、 「バッカじゃないの!?豊の粗チンなんか、誰も見たくないし、気持ち悪いから、水着着なよ!」 真っ赤な顔して、豊に反抗する涼太、なんか可愛い。 本人に言ったら、多分、怒りそうだから、黙っとこう。

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