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上越北高校は通信制なだけあって、登校は1ヶ月に1回。それだけ少ないと友達なんて出来ない。まず作ろうと思えなかった。 中学校まではいたけど…疲れた。幸いなことに名前や失声症の件でいじめられることも揶揄われることもなかったけど、やっぱり気遣われるのは疲れる。何かにつけてごめんねと言われるのは、こっちとしてもあまりいい気はしない。 だから僕はすっかりこのぼっち生活を堪能していた。 それに声が出せないから、自然と外に行くことはなくなる。何をするにも筆談でいちいち書くの、めんどくさい。自然とぼくの生活範囲は自室だけになっていった。流石に継母と父さんのいるリビングに入り浸ろうとは思えないし。 ぼっち最高。 でも出不精の僕が唯一出かける先がある。それは電車に乗って行かなければいけない距離にある養父岬中央図書館。養父岬北図書館の方が近いし交通費もかからないからいいんだけど…北図書館はできたばかりで人が多い。それにたまに小中学校の時の同級生とかにも会うからあまり行きたくない。 ……と言うのは建前で、本当は彼に会いに行っている。

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