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第16話

 2ー4 初めての朝  翌朝、僕は、グールドの腕の中で目覚めた。  「あっ」  僕は、昨夜のことを思い出していた。  僕は、昨夜、グールド・ワイエス男爵の正式な伴侶となった。  そして。  ルドの手でいかされて。  僕は、恥ずかしさのあまり顔に血がのぼるのを感じていた。  ルドの手で与えられるあまりの快感に僕は、怯えてしまって涙が止まらなくなって。  ルドは、そんな僕のことを抱き締めてあやすようになだめてくれた。  僕は、今、目の前で眠っているルドのことをじっと見つめた。  長い金色の睫毛が揺れる。  黄金色の髪の中からピョコンと顔を出している獣の耳がなんとも可愛らしい。  ほんとに獣人なんだ。  僕は、何もかもが信じられないことのように思われていた。  僕がこの美しい獣人の伴侶になるなんて。  僕を抱き締めるルドの腕に力が込められる。  「ぅんっ!」  僕は、ぎゅっと抱き締められてルドの胸に頬を埋めた。  あったかい。  僕は、目を閉じてルドの腕に身をまかせる。  ルドは、裸で、僕ももちろん裸だった。  でも、僕の体とルドの体ではまったく違っていた。  ルドは、引き締まっていてすごく逞しい。  胸板も厚くて腕も力強かった。  手も大きくて。  この手で魔王を倒して世界を救ったんだな。  僕は、また昨夜のことを思い出して頭を抱えて呻いた。  恥ずかしすぎる!  「どうしたんだ?ルーシェ」  はい?  不意にルドの声がきこえて僕は、顔をあげる。  ルドの美しい深い碧の瞳が僕を見つめている。  「あ、あの」  僕があわあわしているのを見てルドはくすっと笑った。  「君は、本当にかわいいな」  「ほぇっ?」  僕は、思わず変な声を出してしまった。  恥ずかしい。  僕の頬が熱くなる。  「くるくる表情が変わって見ていてあきないな」  ルドがそう言って僕の額に口づけを落とした。  ちゅっ、ちゅっと音がして徐々にキスは下へと降りてくる。  「んっ・・ルド・・」  「私の愛する人」  ルドの唇が僕の唇を奪った。  「んぅっ!」  「少し口を開けて」  ルドに耳元で囁かれて、僕は、知らないうちに応じていた。  するりとルドの舌が侵入してきて僕の舌が絡めとられる。  「ふ・・んぅっ」  ぴちゃぴちゃという水音がきこえてきて僕の頭は真っ白になっていく。  すごく。  気持ちいい。  フワフワしてる。  キスってこんなに気持ちがいいんだ。  僕は、知らないことばかりで少し怖くなる。  

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