25 / 63

第25話

 3ー1 婚約破棄の理由  僕たちは、異界の魔女の森にあるダンジョンを攻略することに決めた。  だが、それから1週間たってもルドは行動を起こさなかった。  ルドは、魔王を討伐したときのパーティーの一員でありルドの右腕でもあるという剣士グイードが王都から戻るのを待っていた。  グイードは、今回の婚約破棄に関する宰相たちの慰謝料の請求について王に訴えをおこしていた。  もしかしたら、慰謝料の撤回があるのかな?  だが、僕の問いにランクルは首を振った。  「それはねぇだろうな」  なにしろ、いくら元勇者とはいえ宰相の姫を辱しめたのだから、とランクルは僕に話した。  なんでもルドは、華やかな舞踏会の場で追いすがるリリアンナを振り切り婚約破棄を告げた後、後ろも振り向くことなく去っていったのだという。  あのルドがそこまでするということは、それなりの理由があるのに違いなかったけど、それは、ちょっとまずいよね。  そりゃ、宰相も、相手の令嬢も怒り心頭で慰謝料の請求ぐらいしちゃうよ。  「なんでルドは、そんな風に婚約を破棄しちゃったわけ?」  僕がきくとランクルは、そっと教えてくれた。  「これは、俺が教えたってことはルドには内緒だぞ」  ランクルは、僕に信じられないことを囁いた。  それは、獣人だからとかいうよりも人間として許されないことだった。  「宰相の令嬢であるリリアンナは、獣人の奴隷たちがちょっとした失態を働くとその獣人たちに命じたんだとよ。リリアンナの取り巻きが開いたお茶会で交尾をして見せろってな」  マジですか?  僕が驚いていると、ランクルは続けた。  「しかもその獣人たちは、兄弟だったんだとよ」  酷すぎる!  お嬢様がたが好奇の視線を投げている中で兄弟でそういうことをして見せろなんて!  ランクルは、ため息をついた。  「それを知ったルドは、その場でリリアンナに婚約破棄を言い渡したのさ」  「そんなの、絶対にルドが正しいよ!」  僕は、ランクルに強く同意した。  ルドは、正しい!  そのお嬢様は、絶対に間違えてるよ!  だが、真実を知らない人々にとっては、ルドは、公爵令嬢に恥をかかせた恩知らずでしかなかった。  「たかが元勇者のくせに、ってな」  ランクルは、悔しそうに唸った。  「魔王の脅威が去ったとたんにみんな手のひらを返したようにルドをこんな辺境の荒れ地に追いやったんだ」  

ともだちにシェアしよう!