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第26話

 3ー2 パーティーの絆  今、グイードさんがルドの名誉の回復に動いているのだという。  だけど、もう約束の期日まで時間がない。  でも、ルドは、ぎりぎりまでグイードさんのことを待つつもりなのらしい。  いわく、「私の背中を任せられるのは奴しかいない」のだという。  グイードさんは、竜人族の剣士であり、族長の息子なのらしい。  勇者として魔王討伐のための旅をしていた時にルドと出会ったのだという。  それ以来、一緒に旅をしてきたのだ。  勇者のパーティーの面々は、固い絆で結ばれている。  この乱暴者のランクルだってルドにとっては、大切な仲間だった。  そして、勇者のパーティーにはもう1人のメンバーがいるらしい。  氷の貴公子と呼ばれているその魔導士は、僕の母様にかけられていた呪いを解いてくれた人だ。  でも、いまだに僕たちの前に現れることがない。  ずっとこの屋敷の地下室に引きこもっているのだという。  「酷い人見知りでな。同じパーティーの仲間である俺たちの前にだってめったに姿を現さないんだよ」  そう、ランクルが僕に耳打ちした。  僕は、ランクルと一緒に台所でクイモという芋の皮を剥きながらその話をきいていた。  やっぱり母様には料理は任せられないということで僕が調理を担当することにしたんだ。  母様は、なんだか残念そうにしてたけど、みんなの健康のためには仕方がない。  今日は、母様は、ルドと一緒に異界の魔女の森の下見に出掛けている。  ついでに夕食の材料も調達してきてくれるらしい。  僕は、空き時間でみんながちょっと小腹がすいたときに食べられるようなスナックを作ろうと思っているのだが、この屋敷には今、クイモという芋しかなかった。  クイモは、僕が前世にいた世界のジャガイモによく似た野菜だ。  うん。  実は、やっぱり貧乏だったワイエス男爵家では、贅沢は敵なんだろうな。  というわけで僕は、数日前からクイモを茹でたり煮たり蒸かしたり焼いたりといろいろ調理してみんなの食卓に提供していたんだけど、ちょっと飽きてきたので今度は、油であげてみようと思ったんだ。  油は、食料蔵に残っていたマッドボアという魔物の肉からとった脂身を溶かして使えるし。  幸いなことにこの家には、塩だけはあるし。  こうなれば、もうあれを作るしかないでしょ、あれ。    

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