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第37話
4ー1 冒険の始まり
僕たちが異界の魔女のダンジョンへと向かって出発したのは、慰謝料の支払いの期限の1週間前のことだった。
ギリギリまで王都で王にかけあっていた勇者のパーティーの剣士グイード・クルセイダーが戻ってきてすぐに僕らは、ダンジョンへと向かうことにした。
グイードは、ルドの評判の回復のためにだいぶんがんばってくれたのだが宰相一派のせいもあってまったく事態は改善されていなかった。
ルドの問題を解決するためには、やはり異界の魔女のダンジョンを攻略するしかない。
ダンジョンに向かうメンバーは、僕とルド、グイード、ランクル、それに勇者のバーティーの魔導士であるルルイエ・ザナドクスの計5人。
最初、ルドは僕を連れていくことに反対していた。
だが、僕は、このダンジョンに唯一入ったことがある僕を連れていくようにした方がいいと母様がいってくれたのでついていけることなった。
僕とクロネコのソーは、邪魔をしないように気をつけなくてはいけない。
少なくともルドたちの足を引っ張らないようにしなくては。
僕の母様もダンジョン攻略作戦に参加したがっていたが、家を留守にするわけにはいかないから母様には、家に残ってもらうことになった。
こうして僕たちは、人生の全てをかけて異界の魔女のダンジョンに挑むこととなった。
全員の準備が整うと僕らは、家の前に集まった。
「では、行こうか。主殿」
ソーが僕の肩に飛び乗る。
「出発だ。みな、心の準備は整っておるか?」
皆がそれぞれ頷くのを確認するとソーが号令をかけた。
「では、みな、出発だ!異界の魔女のダンジョンへ!」
僕とソーを中心にして魔方陣が拡がっていく。
「なんだ?」
グイードがきょろきょろと辺りを見回す。
ぎゅいん、と空間が歪んだかと思ったら、次の瞬間には、もう僕らは異界の魔女の森の中にいた。
「みな、気を引き締めよ!ここは、もう異界の魔女のテリトリー内じゃからな」
ソーが声を発した。
僕らは、全員、頷いた。
これから、僕らの人生を賭けた冒険が始まるんだ。
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