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第63話

 6ー3 大好きだ!  次に僕が目覚めるともう辺りは暗くなっていた。  「・・ルド?」  ルドは、いなくてベッドに横たえている僕の横には二匹の黒猫が抱き合って眠っていた。  「ソー?」  「気が付いたのか、主殿」  ソーが顔をあげた。  もう一匹の黒猫があくびをした。  「ソーが二匹?」  「これは、我の弟、ソード・イーガーじゃ」  「我が主の伴侶よ、どうかよしなにな」  ソード・イーガーは、にゃあ、と鳴いた。  僕は、とりあえず彼のことをガーと名付けることにした。  僕は、まだ体がだるかったけどなんとか服を身に付けると1階の食堂へと向かった。  「ルーシェ?」  母様とランクルが夕食の準備をしていた。  「もう、体の具合は大丈夫なの?」  僕は、なんだか恥ずかしくって頬が熱くなった。  「あの、もう、平気だから!」  僕が2人の手伝いをしようとするとランクルがにやっと笑った。  「無理すんなよ、ルーシェ」  「そうよ、あなたは、座って休んでなさいな」  僕は、食堂の椅子に腰かけてぼんやりとこれからのことを考えていた。  ルドの借金問題は、なんとかなったしな。  これからは、この領民0の領地をなんとかしていかないと。  しばらくすると辺りに肉の焼けるいい匂いが漂ってきた。  ああ。  久しぶりの母様の手料理だ。  といっても焼いた肉だけど。  「ルーシェ、もう来てたのか」  グイードが食堂に来ると続いてルドもやってきた。  2人は、これからの領地のことについて話しているようだった。  僕は、黙ってじっとルドのことを見つめていた。  ルドは、何かの書類を熱心に見ていたがふと視線をあげると僕を見て微笑んだ。  ドキン、と心臓が跳ねる。  ああ。  僕は、目をそらしてどきどきしている胸元を押さえて吐息を漏らした。  なんで、僕は、こんなにルドのことが好きなんだろう。  ルドは、優しくて、甘くて、僕のことをいつだってとろかせてしまう。  一緒にいるとなんだか苦しくって。  でも、離れていると恋しくて。  僕は、こんなにもルドのことが好きなんだ。  大好き。  僕は、ルドのためにならなんだってできる。  

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