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出会い
振り返った先には3人の男。
金髪で線の細い、中性的な人。茶髪で体の大きい、明るそうな人。
そして、目を見張るほどに整った顔をした、黒髪で長身な人。
こんな状況にもかかわらず、僕は思わず真ん中にいる黒髪の人に見とれてしまった。
(綺麗な人、、、)
「な〜に〜?なんか楽しそうなことしてるね」
金髪の人の声にハッと我に返った。
(そ、そうだ。そんなことよりこの状況をどうにかしないと。今きたこの人たちだって良い人だとは限らない。むしろこの学校ではその可能性の方が低い。)
それでも、僕は体が動かずただ目の前で行われるやりとりを見つめるしかできなかった。
「あぁ?今取り込み中だ。邪魔すんな、、、っ?!」
さっきまで僕に絡んでいた男が文句を言いながら、声の方を振り返る。
しかし、その姿を確認した途端驚いた顔をして言葉を詰まらせた。
「、、、藍沢っ」
「質問に答えろ、そこで何してる」
黒髪の男は静かに、しかし圧のある声でそう言った。
「っこいつがぶつかってきやがったから、謝り方ってのを教えてやってんだよ」
「、、、そいつは、謝らなかったのか」
「っそれは、、、」
「謝ったんだろ、だったらそれ以上何の用がある」
「、、、」
そこで男は押し黙る。
「なんかさっき慰謝料とか聞こえたけど?まさか、骨折れたとか言って金取ろうとかそんなダサいことしようとしてたんじゃねぇよな?」
今度は金髪の人がそう言う。
図星を言われた男はバツが悪そうにさらに押し黙る。
「、、、5秒だ」
「え?」
「5秒以内に立ち去らなかったら、俺がお前の骨を本当に折ってやる」
「、、、っ」
「それとも今すぐ折ってほしいか?」
男はサァっと顔を青くして、慌てて校舎の方に走り去って行った。
その後ろ姿を見送った僕は、3人の方を見てお礼の言葉を口にした。
「あ、あの、ありがとうございます!」
(あぁ、良かった。さっきの最悪な状況はなんとか脱した。でも、、、)
でも、さっきのあの発言からしてこの人たちも”良い人”ではなさそうだ。
僕に何もしてこない保証はない、、、。
だから、まだ油断はできない。
、、、そう思うのに、なぜか僕は一番圧のある黒髪の男の人に対して、少しも恐怖を感じずにいた。
(なんでだろう、、、あのやりとりを聞いたら確かに怖いはずなのに、、、)
恐怖を感じるどころか、むしろ顔を見ると少し安心する。
(おかしい、、、。あぁそうか、きっとこの体調のせいで頭がおかしくなっているのかもしれない。)
そう思えば、思い出したように体がふわふわと浮くような感覚が戻ってくる。
今までの出来事のせいか、確実に悪化していた。
(あぁ、もう無理だ、、、)
そう思って意識を手放そうとした瞬間、綺麗な藍色の瞳と視線が交わったような気がした。
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