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第1話 プロローグ&中学生

ミーン、ミーンーーー・・・・・・。 セミの鳴き声と太陽がアスファルトをジリジリと照りつける夏真っ盛り。 こんな暑い日はあの日のことを思い出すーーー。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 「んぅっ、あ、ぁん、イクっ、もぅイクっ!!!」 「んっ、オレもっ」 大学1年の夏休み。オレたちは二人きりの実家でセックス三昧だった。 「ナオ、ほら水。」 「ん、ありがと。」 オレ、日吉直斗(ひよし なおと)と幼なじみの草壁航平(くさかべこうへい)は別に恋人とかではない。というか、お互いに多分ノーマルだし、他の男とセックスできるかと言われたらオレも航平も無理だ。 では、何故オレたちが付き合ってるわけでもゲイでもないのにこんなことをしているかと言うとーーー。 5年前の夏真っ盛り。当時中学生だったオレたちは部活が終わり帰っていた。 オレの両親も航平の親も共働きでオレたちはよくどちらかの家に入り浸っていた。 その日も帰ったらゲームしようぜと話していた。 『あっ、んぅ、』 どこから聴こえてきた声にオレたちはお互い顔を見合わせた。 「・・・・・・聞こえた?」 「うん。」 思春期真っ只中でちょうどそーいうことに興味があった。 オレたちは声の聞こえる方へと向かった。 近くにあった木の影から声のした部屋を覗く。 そこでオレたちが見たのは、大学生くらいの男二人が開け放した窓の近くでセックスをしている光景だった。 性についての授業は小学生のときにやったし、赤ちゃんが生まれてくる経緯とかも習ったから少しだけ知識はあった。当然ながら、そういった行為は男女でするものだと思ってたし、まさか男同士でするなんて考えたことすらなかった。 思わずその二人を食い入るようにオレたちは見ていた。 ふと、後ろにいる方の男がこっちを見た。 そして、ニヤっと得意気に笑った気がした。 「ーーーーーっ!!!」 「ナオ、行こっ。」 オレたちは気づかれたことに驚いて慌てて家に帰った。

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